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【実証実験結果を大公開】70%の家庭で学習習慣化を実現 | 岐阜市立岐阜小学校×コクヨしゅくだいやる気ペン

岐阜市立岐阜小学校の1年生と2年生全員に「しゅくだいやる気ペン」を配り、「①机に向かう習慣づくり」と「②家庭学習に取り組む親子関係の土台づくり」の2点に着目した実証実験を2023年5月から6か月間行いました。

その結果、
1)アンケート回答のあった34名のうち、70%の家庭が習慣化できたと回答
2)「しゅくだいやる気ペン」の機能である花マルを毎回つけている家庭ほど「しゅくだいやる気ペン」の使用を継続している
3) 家庭学習を長期的に継続している家庭は、毎日ほぼ同じ時間に家庭学習を行っている
ことが分かりました。

■実証実験概要
・実験期間:2023年5月1日(月)~2023年10月31日(火)
・実験対象者:岐阜市立岐阜小学校 1年生39名、2年生47名全員(合計86名)
・実験内容:担任教師から保護者を通じて、合意を得た家庭に対して「しゅくだいやる気ペン」を提供し、児童の日々の家庭学習に「しゅくだいやる気ペン」を使用する。定期的に、アンケートやデータ集計を用いて家庭学習の意欲の変化、習慣化を分析する。

70%の家庭が習慣化
「しゅくだいやる気ペン」を導入後3か月後のアンケートでは、「家庭学習が習慣化できている」および、「やや 習慣化できている」と答えた方はアンケート回答者の70%でした。これは、「しゅくだいやる気ペン」導入前の調査に比べ44ポイントも増加しています。「しゅくだいやる気ペン」が家庭学習の習慣化に大いに貢献していることが分かりました。

花マルを毎回つけている家庭ほど「しゅくだいやる気ペン」の使用を継続
 
習慣化を確認すると、「しゅくだいやる気ペン」をその後継続して使用する家庭と使用を辞める家庭に分かれます。この2つの違いは、「しゅくだいやる気ペン」のアプリ上で「花マル」をつける機能の使用有無と相関していることが分かりました。
「花マル」を毎回付けている家庭は、半年以上経過しても「しゅくだいやる気ペン」を利用し続けています。

家庭学習を長期的に継続している家庭は、毎日ほぼ同じ時間に家庭学習を行っている
 半年以上しゅくだいやる気ペンを使用し続けている家庭のIoTデータを見ると、毎日同じ時間に使用(学習)している傾向があることが分かりました。
 グラフは、横軸を月日(4月17日~9月30日)、縦軸に時刻(0時~23時)を示します。
赤いマーカーがある部分が、やる気パワーが記録されたことを示します。

 しゅくだいやる気ペンのIoTデータの1例(2年生男子 Aさん)

岐阜市立岐阜小学校にて実施した「しゅくだいやる気ペン」実証実験参加者(保護者)のご意見・コメント
(導入後1か月のコメント)
「楽しんでやってます。お友達とやる気ペンについて会話し、〇〇さんは、××時間やった! △△さんはやらなかった!などと周りも同じように使う事で影響もあると思います」(2年生男子 母親)

(夏休み前のコメント)
「今まで、家に帰ってノートを開いて学習する、というスイッチが入らない状況で、子ども自身も机に向かっていないし、私も環境作りとか声かけとか得意ではなかったので、子どもを見てても楽しくなさそうだった。気になっていたものの、1年生の期間は胡麻化してきた。2年生になってやる気ペンが貰えたので、良いキッカケになった。自分でやり始めたのが、今はそんなイヤイヤでもない。親も色々言ってきたが、先生の一言とかあって、定着し始めた。評価されると自信がついた。」(2年生男子 母親)

(6か月後のコメント)
「実証実験の貴重な機会をありがとうございました。現在は、やる気ペンを使用したり、しなかったりとありますが、家庭学習が親子ともに豊かな時間となりますように。これからも見届けたいと思います」(2年生女子 母親)

岐阜市立岐阜小学校にて実施した「しゅくだいやる気ペン」実証実験
参加(担任)先生方のご意見・コメント
「やる気ペンを渡した当初は、楽しいとか教室で話題になっていたので、学習を始めるキッカケには大活躍したと思う」
「家庭学習をしてこなかった子が確実にできるようになった効果は凄いと思う。また、元々習慣化できていた子も、さらに磨きがかかった印象です」
「保護者会でやる気ペンの話題になったことがありました。学習習慣ができて、保護者の皆さんは喜んでいました」

■岐阜市立岐阜小学校藤田校長先生のコメント
 一律の「宿題」を廃止し「家庭学習」への転換(改革)を図って2年目となる岐阜小学校では、その取組に大きな可能性を感じています。子供自身が「家庭学習」を楽しみながら学習習慣を定着させる様子、興味・関心を広げたり深めたりして好奇心や探究心が高まる姿などが表れ始めています。また、教員の果たすべき役割が整理され、児童理解や教材研究が進んだ手応えもあります。
 そんな中でのIoT文具「やる気ペン」の活用は、低学年期の「家庭学習」で求める「家で勉強する習慣を身に付けること」に有効であったと感じています。最初の5分間を集中して取り組めるようになると、集中力と粘り強さが高まります。同様に、小学校入学後の1ヶ月間で「家庭学習」の習慣化が図られると、生活習慣に学習の時間が定着することが今回の実証実験から分かりました。見聞きしたことや感じたことを描いて表す「お絵かき」から始め、机に向かって鉛筆を動かすことに「楽しさ」を見出すことになります。そのきっかけとして「やる気ペン」は、十分に機能するのだと思います。
 一方で、本校の改革で期待している「親子の対話が増えて相互理解や親子関係が深まり、保護者の自覚も高まる」という面については、「花まる」機能を上手く活用できている家庭で効果的だったことが分かりました。今後は「家庭学習に取り組む親子関係の土台づくり」の側面への働きかけを強める必要性も感じています。


岐阜小学校 藤田校長
岐阜小学校で行われてる家庭学習の共有の様子

■岐阜小学校
岐阜小学校は、信長公が美濃国を攻略して「岐阜」と改めた城下町を校区としてきた金華小学校と、旧県庁舎(新市庁舎)・警察署・消防署・裁判所等が立ち並ぶ官公街を校区とする京町小学校の、二つの伝統校が統合して平成20年度に開校した学校です。
開校以来、岐阜市最初のコミュニティ・スクール(以下CS)に指定され、文部科学省の研究指定事業として「地域や家庭との連携・協働教育プログラム」を開発し、「ふるさと大好き」を合い言葉に先駆的な実践を進めてきました。学校活性化を目指した導入当初の「学校支援・地域活用型」から、「学校支援・地域参加型」を経て、持続可能な地域づくりへと向かう「地域創造型」の学校へと進化してきたところです
2019年より就任された藤田校長の下、児童に対して一律の宿題を廃止し、家庭、社会、学校の役割を整理し、家庭学習の手引きを作成配布し、各家庭で家庭学習の取り組みの定着化に取り組んでいることが多くのメディアに取り上げられています。今回この取り組みの内容を向上させる目的で、特に家庭学習の動機付けや習慣化が課題の低学年を対象に、「しゅくだいやる気ペン」による実証実験を行うこととなった。


岐阜市立岐阜小学校