見出し画像

“子どもの「できた!」を増やす専門家”作業療法士7人によるリレーコラム #01|作業療法士ってなに?

しゅくだいやる気ペンチームでは、日々子どもの学びに関わるさまざまな方とコミュニケーションをしながらユーザー理解を深めています。今回、日々現場で子どもたちと向き合う作業療法士の先生方にご寄稿頂く機会を頂きました。

「作業療法士」という職業を聞いて一般的に思い浮かべるのは、病院などでリハビリテーションにかかわる専門家というイメージかもしれません。実は、この「作業療法士」の方々は発達に特性を有する子どもたちの支援にとても精通しています。この連載では専門的な視点から「子どもの発達」に関する身近なテーマを取り上げ、全7回に渡って解説いただきます。子どもの特性理解や、子どもとコミュニケーションする際のポイントなど、【なるほど!】ポイントが満載ですので、是非お楽しみください。

第1回のテーマは、「作業療法士ってなに?」です。子どもの発達における作業療法士の先生方の役割について、京都橘大学作業療法学科の川﨑一平先生にお話いただきました。

みなさん、こんにちは!作業療法士の川﨑です。今回から全7回に渡って作業療法士によるリレーコラムをお送りさせていただきます。字を書いたり、本を読んだり等の基礎的な学習行動が苦手なお子さんを持つ保護者の方が、ちょっとした手助けとなるようなメッセージとして読んでいただけると嬉しく思います。第一回の今日は、そもそも作業療法士とは何なのかをご紹介したいと思います。

京都橘大学作業療法学科 川﨑一平

みなさんの中には作業療法士という職業を初めて耳にする方もいらっしゃるのではないかと思います。作業療法士は、病院や施設などでリハビリテーションを行う専門家のひとつです。リハビリテーションに携わる専門職は、他にも理学療法士、言語聴覚療法士という仕事がありますが、中でも作業療法士は、発達に特性を有する子どもたちの支援にとても精通しています。

子どもたちの中には、いつもそわそわ落ち着かない、コミュニケーションが苦手、机に向かっても集中が続かないなど、様々な特性をもった子どもがいると思います。作業療法士は子どものなかで起こっている世界を医学的な知識や専門的な経験から理解・推測することで、目に見えづらく伝わりにくい子どもの特性を保護者の方をはじめとする周囲の人々へお伝えし、子どもと同じ目線で世界が見られるようサポートすることができます。

子どもの作業療法の現場では、「遊び」と「学び」の中で子どもの発達を促していきます。からだを動かすこと、友だちと協力すること、道具をうまく使うこと、自分の気持を表現することなど、子ども一人ひとりの状態に合わせた活動でアプローチし、成功体験を積み重ねながら子どもの成長へつながる手助けをします。発達期の支援を専門とする作業療法士は、療育センターや教育機関など身近な場所にいますので、何か困ったことがあればぜひご相談に行かれてくださいね。

次回は、そんな発達期作業療法のプロフェッショナルである福永先生から、「じっとしていられないお子さんへ」をテーマに応援メッセージを頂きます。お楽しみに!

文:京都橘大学作業療法学科 川﨑一平

作業療法士リレーコラム第2回
「じっとしていられないお子さんへ」はこちら>>