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木漏れ日のトンネルを抜けて

今年の秋の台風で生活道路が崩落し、今でも通行止めが続いています。
迂回路はあるものの、倍近く時間がかかるので不便この上なし。

そこで集落の人達は、もうほとんど使われなくなった山道を整備して、なんとか車一台通れるようにしました。
しかし急な坂道、かつヘアピンカーブばかり。
道の途中で対向車に遭遇しても離合はできません。

いくら近道でも怖いと、最初は敬遠していたのですが、だんだん迂回がめんどくさくなって、今日は勇気を出して通ってみることにしました。
時速15kmでゆっくりゆっくり登ります。
滅多に車は通らないのですが、こんなところでぶつかったら目も当てられません。


しかし、この道。
小学生の頃、毎日歩いてかよった道なのです。
片道3kmだけど、一度谷に降りてこの山道を登る。

春は木いちごや茱萸ぐみを取って食べ
夏は谷の川で泳いだり魚を取って焼いて食べ
秋は栗を拾い、うべをちぎり食べ(食べてばかり・・・😅)
冬は霜焼けに泣かされた、思い出たっぷりの道。

もう何十年も通っていませんでした。
でも、人が通らなくなっても毎年植物たちはいつものように芽を出し、葉をひろげ、実をつけていたのです。
誰に見られなくても、認められなくても。

すっかり大きくなった木や枯葉に覆い尽くされた土手は、それなりの年月を感じさせるけど、昔のままの光景も残っていて、心をふんわり、じんわり癒してくれました。
特に木々のトンネルの道におちる木漏れ日は、キラキラしていてとてもきれい。
思わず写真撮りたくなったけど、こんなところで立ち止まっては危険。
心のシャッターをパチリと切って、すばやく通り抜けました。

おとなになってから母校を訪れると、グランドや遊具がやけにちっちゃく感じるみたいに、この山道もあの頃からするとだいぶかわいく見えた午後でした。


タイトル画像は家の前の風景。
山道の写真撮ってくればよかったなぁ。
今度挑戦してみようっと。


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