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あだ名は「天井」

就職して最初に配属されたのは頭部外傷救急センターでした。
看護師になりたくてなったわけではなかった私は、せっかくだったら、いざというときに家族ぐらいは助けられるようになりたいと思って、救急を志望していたのでした。

世間知らずというか、怖いもの知らずというか。
その現場の実情も知らぬままに、配属されてやるき満々だった私でしたが、そのうち、とある有名医師に「天井」と呼ばれるようになりました。

その医師は見た目も歩き方も口の聞き方もまるで、○くざ。
腕は確かな脳外科医でしたが、周りにかなり恐れられていました。
そして、今でこそご法度ですが、スタッフに、しかも反論できないような弱気のスタッフに好き勝手あだ名をつけるのが趣味でした。

ちょっと色の黒い先輩は「クロ」って呼ばれてて、急患が運ばれようと、周囲が修羅場だろうと「クロ!! 何やってんだテメー」みたいな言われ方をしてい、まったくイヤな医師だなと思っていたのです。

1ヶ月もしたころでしょうか。
「おい!天井」と周囲で声がして、誰かが呼ばれてるなと思っていたら、なんと私でした。🤣
何かにつけて「おい!天井」、「おい!天井」と呼ばれます。
意味も分からず、とりあえず私のことを呼んでいるのだな、ぐらいの認識だったのですが。

やっぱり、なぜ「おい!天井」なのか気になります。
周りの人に聞いても「さぁ?」の一点張り、知ってか知らずか誰も教えてくれません。

その理由がわかったのは、くだんの医師が退職したときでした。
だいぶ、扱いがわかってきたので(笑)、何でも話せるようになっていた私は、最後に教えてくれと、理由を尋ねました。

「あぁ、お前さ。いっつも天井見て歩いてたろ」

と言われたのです。はぁ? それアホみたいじゃないですか。
そんな天井ばかりみて歩いてませんよ!!!
必死に対抗しましたが、ときすでに遅し。
その医師は去っていき、それ以来私のことを「おい!天井」と呼ぶ人はいなくなりました。

先日、波動を上げるためには、口角をあげる(笑わなくてもいいからせめて)ことと、たまには上をみること!と教わったのですが、あの頃の私は結構、上を向いていたんだなと思い出したというお話です。

空の色も、雲の形も、星も、月も。
見るのが大好きでした。
今では、歩く機会が減ったので、だいぶご無沙汰していますが、職場の廊下の天井をニヤニヤしながら歩いています。

***


タイトル画像は”Take Kuroki”さんにお借りしました。
昨日はめっちゃ疲れていて書けなかったので7時に間に合いませんでした。
明日はお休み。ヽ(=´▽`=)ノ。 
興味一日、がんばるぞ!!!


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かる~いノリでいただけると、かる~く返します。


#毎日note #天井 #あだ名 #波動を上げる #上を向こう

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