見出し画像

好きなものと、うまく距離を取りたい

 型抜きを使って形よく焼きあがったスコーン。ほかほか熱々をオーブンから取り出しながら、どうしていつも好きなことから自分を遠ざけようとしてしまうんだろうと考えていた。

 好きになった。けれど、ある日突然、気持ちが冷めてしまうことがある。たびたびある。だいたいそうなる。好きだったのに、行けなくなってしまったあのお店。気になる、近いうちに行きたい。でも、行くことができない。季節ごとのお知らせが記されたダイレクトメールが届くたび、情けなくなって苦笑い。そんなことを何年も繰り返している気がする。

 ここ数日、これからの仕事のことで頭がいっぱいで、そればかり考えていたら、きょう急に何も手につかなくなった。とりあえず食器を洗おう、とりあえずあそこへ電話しておこう。そして、いまスコーンを焼いている。もうすぐ、子どもを迎えに行く時間。

 近づきたいのにできるだけ遠ざかろうとしてしまう、この気持ち。自分自身のことだけれど、その理由をよく理解しているわけじゃない。ただ、自分はなにかとそうなりがちだなって。でも、どうしてそうなってしまうんだろう。書いてみたらわかるかな。それでnoteを開いてみた。

 ふと我に返る瞬間がある。相手にどんなふうに思われているのだろうって。それを意識し始めた時に、わたしは好きなものから少し距離を取りたいくなってしまうようだ。好きなものに夢中になっている自分自身が一人よがりな気がして、ふと不安になってしまうのだ。

 そうなる前にうまく距離を取るにはどうしたらいいんだろう。きょうは、子どもの遊び相手をしながら、食事の準備をしながら、そんなことを考えることにしよう。

ーーーーーーー

 もしまた離れたいと思ったら、その気持ちのままに距離を置くことにしよう。それは、決して悪いことじゃない。たとえ、離れたとしても、また近づこうと思う気持ちがあるか、ないか。ほんとうに自分の人生に必要か。好きという感情から離れて、一旦冷静になること。きっかけが何であったとしても、自分にとってどれほど大切なものかを知ることができる。もちろん「あんなに好きだったのに」という気持ちにはなる。けれど、離れてみたから分かることがある。きょうの気持ちの変化は、決してマイナスではなくて、いつかのプラスにつながっている気がしてきた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?