崎原
僕の夢日記。
僕の日記。
夢日記5 ◯注意 起きてすぐにiPhoneのメモ機能で書いたものに少し手を加えてあります。それでも、起きてすぐの僕の感覚で組み立てられた文章であるから、読みづらいと思われます。僕も読んでいてよくわからない。 夢日記をつけるようになってから暫く経つのですが、そのなかでも文章量が多い物を選びました。 僕は座敷ですき焼きを食べていた。関西風なので、はじめに牛脂とザラメと割下で焼いた牛肉を一枚、取り皿に貰って溶き卵にくぐらせて食べる。僕が美味いと感じるよりも先に座敷の襖が開い
夢日記4 〇注意 起きてすぐにiPhoneのメモ機能で書いたものに少し手を加えてあります。それでも、起きてすぐの僕の感覚で組み立てられた文章であるから、読みづらいと思われます。僕も読んでいてよくわからない。 夢日記をつけるようになってから暫く経つのですが、そのなかでも文章量が多い物を選びました。 僕は薄暗い工場のようなところに立っていた。靴の裏から伝わる冷たさから、打ちっぱなしのコンクリートの材質を感じる。清潔なところは自分の内側以外には見当たらなかった。劣悪な空気、
風が強かった。だから、どこでもいいから早く風を凌げるとこへ入りたかった。風がなくても寒い夜だった。 思い起こせば駅前の個人商店の本屋が、アメリカ資本の会社に潰されたのが現在のような状況の悪化に繋がったのと考えるのが自然だと思える。もう不要になってしまったスタンプカードを僕は捨てないでいる。今となっては栞代りに使うほかに実際的な用法を思いつかない紙切れだけが、2022年9月の僕の記憶を呼び起こす考証資料。アパートの構造的に心許なく、響けば響くほど不安になる足音、太平洋で鳴
夢日記3 〇注意 起きてすぐにiPhoneのメモ機能で書いたものに少し手を加えてあります。それでも、起きてすぐの僕の感覚で組み立てられた文章であるから、読みづらいと思われます。僕も読んでいてよくわからない。 夢日記をつけるようになってから暫く経つのですが、そのなかでも文章量が多い物を選びました。 くだらないことは言いたくない。異端的。君が言葉を知らないから、知らない訳ではないのだろうけど効果的に使うことを知らないから、手垢のついた言葉ばかり持ち寄って僕を傷つける。「深い
夢日記2 〇注意 起きてすぐにiPhoneのメモ機能で書いたものに少し手を加えてあります。それでも、起きてすぐの僕の感覚で組み立てられた文章であるから、読みづらいと思われます。僕も読んでいてよくわからない。 夢日記をつけるようになってから暫く経つのですが、そのなかでも文章量が多い物を選びました。 僕は動物園から出ようとしていた。人間以外の動物は一匹たりとも見当たらなかったけれど、僕はそのゲートを動物園からの出口だと思っている。係員から「退園時にもチケットを見せてもら
〇注意 起きてすぐにiPhoneのメモ機能で書いたものに少し手を加えてあります。それでも、起きてすぐの僕の感覚で組み立てられた文章であるから、読みづらいと思われます。僕も読んでいてよくわからない。 夢日記をつけるようになってから暫く経つのですが、そのなかでも文章量の多い物を選びました。 長崎にいた。いつからか覚えていないが、あの理不尽な坂を歩いていた。 市街地から外れた住宅街を僕は歩いていて、近くに中学校があるらしかった。校庭で部活動に励む少年少女たちの頑是ない声が
いざ離れるとなると夕紅の色に映えたこの街の侘しさや、巷に漂う寂寥などが実に美しく眼に掛かる。春になって湿気を含んだ風が吹くので、嫌気がさして部屋に戻ろうとするのだが、もう少しだけと思いながらひと駅ぶん歩く。普段なら駅前の繁華な場所は避けて通るのだが、やはり今日が最後かもしれないと思いなおしてアーケードをくぐる。 部屋を出たときから聞こえていた虫の声が止んで、代わりに有線の音楽が流れる。歩くたびに存在がおおきくなっていく音楽と、窓々から漏れ聞こえてくる方言混じりの酩酊した声
私は低い本棚から、寺山修司の詩集を抜き取った。 手に馴染む、よれた文庫本の表紙を無心でめくりながら。文字を追いながら。私は彼女の話に耳を傾けた。この本棚も、この本も全ては彼女の所有物だった。この狭いアパートには、そんな彼女の存在の分身が散らばっていた。甘いバニラの香水の匂いや、薄い柔軟剤やシャンプーの匂いがあった。しかし、それらのほとんどは巷に溢れているものだった。 「人の本棚をあさるひと、きらいなのよね。」と彼女は言った。私は、その言葉を体現的に無視しながらも、曖昧な
ご老人は海に放尿されていた。 私はそれを見て、彼は海と一体になっていると想像していた。人体はそのほとんどが水分だというので、海と尿を通して繋がっている間。彼もまた海の一部になっているような気がした。私はそんな妄想の裏付けが欲しいと願った。 この小さな田舎町の港には、何艘かの漁船が停泊している。そのなかの「大栄丸」と書かれた船の傍らに老人は立っていた。船底塗料の銅の赤色が剥げ、いたるところにフジツボやカラス貝が張り付いている。彼は船のごつごつした船底に向かって放尿していた
高校までは自転車で5キロほど起伏の激しい道を漕いで行かなければならなかった。その道中には仁和寺や竜安寺、金閣寺などがあって、行楽シーズンになると大勢の観光客で賑わっていた。道路沿いの市バス停留所を自転車に乗って通らなければならないときなどは難儀だった。知らない国の香水、ご婦人団体の厚化粧の匂い、成長期の男子特有の体臭がする修学旅行生。断片的な情報は視覚と嗅覚で完全になる。様々な匂いが入り混じって、なんとも形容し難い臭いが鼻腔を突く。地元民にはいい迷惑だと、友人と一緒に下校
陶器の義眼を踏み潰してしまったような最低の気分だった。下手に動いて現実を直視したくなかったので、暫くの間ベッドの上で胡坐をかいていた。煙草のフィルターを唇で弄んでいると、幾度かシーツの上に落とした。細切れの煙草の葉っぱが散らばる。そのたび曖昧な世界を揺蕩っていた意識が部屋に戻ってくる。早く火を点ければ良かったのに。箱に戻せばよかったのに。そんなことを考えながら惰性で火をつける。時刻を確かめると午前2時を少し過ぎていた。小さな不安の種がまたひとつ、暗闇を照らすブルーライトで発
文章を書きます。