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#2ぶどう山椒の夜明け 「ぶどう山椒とはなにか」

みなさんに「ぶどう山椒」より深く知っていただきたくて、現役農家の白藤(しらふじ)勝俊さんにぶどう山椒の特徴や産地の歴史などを語っていただきました。

白藤さんは農家の傍ら、地域の語り部としてもご活躍されています。優しい口調で語られる昔話には、随所で白藤さんの大きな郷土愛が散りばめられており、思わず引き込まれてしまいます。


山椒の神様の末裔

白藤さんのご祖父

白藤さんのご祖父は「清水町サンショウ生産組合」の初代組合長を務められ、精力的に産地の礎を築いた功績から「山椒の神様」と呼ばれていたそうです。

そんなご祖父の大きな背中を見て育った白藤さんは幼少期の頃から山椒を乾燥させるお手伝いなどをしていました。


白藤さんが語るぶどう山椒

白藤さんはぶどう山椒の特徴を「ぶどうの房のように実り、辛味成分が強く、フレッシュな香りが特徴」だと言い、その特有の香りはずっと昔から日本人の心を魅力してきたのだと続けます。

ぶどう山椒は、江戸時代に遠井(とい)村(現・和歌山県有田郡有田川長)に住む勘右衛門という方の庭に、たわわに実る樹が発見されたことが起源だとされています。

しかし、平安時代の法令書「延喜式」、同時代の古文書「高野山文書」には山椒を朝廷や高野山に献上した記録があることから、その歴史はもっと深いかもしれない、と白藤さんは教えてくれました。

ぶどう山椒は先人たちから脈々と引き継がれてきた産物であり、地域文化そのものであることがわかります。


↓  遠井村についてはコチラ  ↓



ぶどう山椒農家 白藤さんの苦悩


由緒あるぶどう山椒ですが、産地に目を向けると大変なことになっています。

農家の高齢化(平均年齢80歳)、年々増える耕作放棄地など産地がどんどん衰退する状況を目の当たりにする白藤さんは未来の産地に大きな不安を抱えています。


次回は白藤さんの想いや奮闘について書きます。

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