初めてのオフショア開発はどうやって始めたらいい? 〜契約編〜
こんにちは、スクーティー代表のかけやといいます。
私は2012年にベトナムに渡り、以降、100以上のオフショア開発プロジェクトを経験してきました。
その経験から、今後オフショア開発を検討されている皆様に、オフショア開発を始める際のポイントをお伝えしたいと思います。まずは契約面に関して書いていこうと思います。
オフショア開発で締結することが多い契約の種類
オフショア開発を始める際には、下記のような契約の締結が必要になることが多いです。
NDA
請負契約
ラボ型開発契約(準委任契約)
保守契約
請負かラボ型開発かで、プロジェクトの進め方や想定されるリスクが大きく変わってきますので、以下、2つのケースについてお話していきたいと思います。
請負かラボ型開発か
ベトナムのオフショア開発に関して言うと、ほとんどがラボ型開発で行われています。これは、オフショア開発が、特定のソフトウェア開発の業務を委託するというよりは、日本国内のエンジニア採用の代替手段として活用されていることが大きいと思われます。
請負契約は納品保証の契約で、業務範囲や実装する機能の仕様が明確に決まっている場合はこちらを選択するほうが安全です。また、瑕疵担保責任がある契約です。
作りたいシステムの仕様を契約締結時点で決めることが難しい場合、あるいは、作りながら仕様を考えたい場合はラボ型開発を選択することになります。
請負契約の場合、検収完了時に支払いが発生します(前金が必要な場合もあります)。
ラボ型開発の場合、契約上確保する人員に応じて毎月の支払いが発生します。一般的に、ラボ型開発のほうが請負よりも単価が安く設定されていることが多いです。
想定される発注側のリスク
請負契約の場合
契約条件が不明確(あるいは、契約締結時に提示した仕様書が不明確)だと、委託したいと期待していた業務が、契約の範囲外であると、突っぱねられる可能性がある。
プロジェクト進行中に仕様の誤りに気づいた、あるいは仕様を変更する必要が出てきた場合に、別途見積もりと、その追加費用に対する社内稟議が必要になり、時間がかかる。
ラボ型開発
プロジェクトをある程度進めないと、いつまでにどのような機能ができるかが「正確に」わからないので、当初の概算見積もりによるスケジュールと、その後詳細見積もりに基づいて更新される着地予測に乖離が出る。
一般的な契約締結までの流れ
まずはNDAを締結します。見積もりを取るために情報共有が必要なためです。したがって、相見積もりを取る場合は、その業者全てとNDAを締結する必要があります。
相見積もりを取る。
金額や提案内容から業者を1社選定する。
請負契約か、準委任契約(ラボ型開発)かを選択し、契約締結。
請負契約にするか、準委任契約にするかは、上記に述べたような契約の特性やリスクから判断するのが良いと思います。
また、相見積もりをとって業者に提案をしてもらう場合は、どちらの契約が適切かを提案内容に含めて話をしてくれる業者が多いです。
最後に
今後も、オフショア開発を検討しているけどどのように始めたらいいか悩まれているような方や企業向けに、オフショア開発に関する情報を発信していこうと思います。
この記事は私が経営する株式会社スクーティーのコーポレートブログの下記記事を焼き直したものです。