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【軍事】メートル法と砲兵

(全2,222文字)
おはようございます。
日替わり記事、木曜日は趣味のミリタリーです。
今回は『戦場の神』、砲兵についてちょっぴりお話させて頂きます。

メートル法とは

ふだん私たちの生活の中で、ごく普通に使用している単位の『メートル』ですが、その起源については余り良く知られていません。

『詳しくはググってください(笑)』

…それだと記事にならないので、簡単にサクッと説明してみます。

メートル法とは?】
○1790年3月、フランス議会で世界で統一された単位の使用について提案され決議。1791年に【北極点から赤道までの子午線弧長の1万分の1=1メートル】と定義された。

長さの単位であるメートル質量の単位であるキログラムを基準とする十進法による単位系。国際単位系(SI)は、ほぼ世界中で運用中。

○当時世界中には様々な単位が存在。同じ単位系の中でも複雑な換算が必要とされ、複数の単位が併用されることも少なくなかった。

○テクノロジーがまだ進歩しておらず、人間の生活範囲が狭かったころは複数の単位があっても問題はなかった。グローバル化に伴って、単位の不統一が原因で様々な問題が発生していたことから、このような世界基準の制定に繋がったとも言われている。

○日本では、1885年(明治18年)にメートル条約に加盟。1891年(明治24年)に施行された度量衡法で尺貫法と併用するかたちでメートル法が導入された。

「 だ か ら 何 な の ? 」

と言われると困っちゃうのですが(笑)

世界各国にあった様々な距離や長さを図る単位が世界統一基準として制定されたことで、最もその恩恵に授かり、技術的な進歩を遂げたのが【砲兵】だったとも言えます。

砲兵は時代の流れとともに工業・火薬技術の進歩によって砲や弾薬の性能が向上し、弾丸を飛ばす距離がどんどん長くなっていきます。そうなると、目標と砲位置の間の距離も当然離れるので、『測量』が必須となります。

国が違えば単位が違う、同じ国の中にも複数の単位がある。これって、測量器材の開発には物凄く問題が多かったわけです。数字の換算がいちいちめんどくさいし、その単位専用の器材を別々に作らないといけないからです。

世界の距離に関する単位が統一されたことで、測量器材の研究開発や新しい器材の製造などは一気に楽になったと考えられます。

つまるところ、測量技術の発達によって、砲兵の運用方法は技術的な進歩とも相まって、飛躍的に向上したとも言い替えられます。

砲兵の歴史…のちょっと前に

砲兵の歴史を全て紐解こうと思うと、何十万文字もの超長編記事がいくつか書けます(笑)今回は、なるべく短く戦史にかかわるお話をまとめようと思いましたので、大河ロマンを語る前にちょっと軽めのお話を持ってきました。

『大砲』と聞くと、多くの方が鉄で出来た大きな砲身に火薬をつめて丸い大きな鉄の弾を飛ばすモノをイメージされるかと思います。

砲兵に関する知識はとても幅広く奥も深いです。

webで検索すればそれなりにたくさんの資料が発掘できますが、ごく簡単に言いますと…

○古代の戦争では大きな砦や城、要塞を築き上げると、それを攻略するのに物凄い時間と資源が必要とされた。すなわち守る側が断然有利だった。

攻城兵器は火薬が無い時代、既に投石器のようなものは使われていて、火薬を用いた兵器の発達は12~13世紀頃に東方を中心に広まっていた。

○西洋に火薬を用いた攻城兵器の知識が14世紀頃伝来し、次第に発展してゆくことになった。

○工業技術や火薬の精製技術の進化によって、砲兵は徐々に戦場の主役になってゆくことに…。

詳しい歴史資料などにはもっと深く細かい説明がありますが、ごく簡単に要約するとしたら、おおむねこんな流れになります。

第1次世界大戦頃を境に砲兵の運用は更に進化し、兵器の性能もどんどん上がっていきます。

現代陸軍が保有している高性能な野戦砲に近いものは第2次世界大戦では既に使われていました。機械的なところではさほど大きな違いはココ数十年間では起こっていないのが現状です。

砲身砲での最長射撃記録はアフリカの訓練場でドイツ製のPzh2000と言う155mm自走りゅう弾砲が記録した六十数kmだったかなと記憶していますが、最近の軍事雑誌などを読む限りでは、更に射程を延伸した超長距離射撃をしようと言う動きもあるようです。

本カテゴリーの記事は正面が非常に広いので、そのあたりの兵器の話は今後ゆっくり時間をかけつつ、徐々に掘って行こうと思っております。

最後に

東西冷戦崩壊以降、世界各国の陸軍種は軒並み軍縮の波に飲まれつつ、重装備を削減・縮小していきましたが、近年のウ戦などを見る限りでは、やはり広大な地上で行われる戦いでは、砲兵の火力は全く無視できないもののようでもあります…。

第2次世界大戦以降の近代戦史においても、様々な戦場で砲兵が活躍した例は少なくありません。

戦いの歴史は古代の攻城戦から近代の陣地戦へ、そして大規模な機甲部隊による機動戦へと変遷していきました。

砲兵は昔から戦場の神と言われてきましたが、時代が変わっても大量の火力を遠距離から発揮できる砲兵の役割は今も大きな変わりはないようです。

最後まで読んで下さってありがとうございました。

(オマケ)
日本の陸上自衛隊は、職種ごとにカラー(色)が決まっていて、砲兵である野戦特科では『山吹色』が使われています。

詳しくは、また次の機会に……。


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