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【軍事】なぜ『戦車』のことを『TANK/タンク』って言うの?

(全2,555文字)
9月からnoteの投稿を日替わりメニューにしたかけうどんです。毎週木曜日は、私の趣味の一つである『ミリタリー』に関連する記事を毎週ひとつづつアップしていきたいと思います。最終的には初心者向けの図鑑や辞典みたいなものになればいいなぁと思って、やさしい感じで書いていきたいと思います。

今回は新シリーズの1作品目になるので、かけうどんが大好きな『戦車』について、その歴史などをちょっと簡単に書いてみようと思います。

【お題】

「戦車がTANKと呼ばれるようになったのはなぜ?」

軍事マニアの方には、ごくごく当たり前の『常識の話』なんですが…(笑)

最初に結論から。


1.結論

戦車を戦場に輸送する時に、機密を保持するため、

「あれは水を入れるためのタンク(水槽)だ。」

と言ってごまかしたから。

だそうです(笑)

では、そのいきさつを少し細かく説明してみます。

2.戦車誕生のきっかけとその後

第1次世界大戦(以下WW1)前の戦場は、歩兵の突撃で戦いの【決】がとられていました。歩兵による機動・集団戦法がメインだった訳です。

しかし、歩兵の大敵が戦場に登場して、戦場の環境は激変していきます。

(1)歩兵の天敵登場

WW1で登場したゲームチェンジャーのひとつ、【マシンガン/機関銃】によって、従来の陸上での戦い方が大きく変化していきます。

一回引き金を引くと、弾丸が連続で発射される機関銃は、1発1発を照準せずに大量の弾をバラまけます。

おのずと、戦場は機関銃の独壇場になっていきます。

(2)機関銃コワいやん!⇒穴掘って隠れろ!⇒…膠着状態のにらみあいへ

お互いに機関銃でやられないようにするにはどうしたらいいか?
単純に、塹壕を掘って隠れればいい。

WW1以前の戦場は、砲兵の火力支援のもと、歩兵が集団で突撃するという戦法がメインだったのが、機関銃の登場によって従来の戦法が通用しなくなりました。

そして、戦場は、お互いに塹壕を掘って掘って掘りまくって、最終的には睨み合って動けなくなってしまう。いわば【膠着状態】に陥ります。

当時は、歩兵の突撃のチャンスを作る為、砲兵による攻撃準備射撃を何日間も続けたと言う記録もあります。
でも、退避壕に引っ込んでいる歩兵には効果がなかったそうです。

ちょうど、毒ガスが開発されたのも、塹壕戦になってしまって膠着状態が悪化していったWW1あたりのことです。

(毒ガスは、その後国際法で使用が禁じられます。)

(3)画期的な方法を考えた人がいた

長引く戦場での膠着状態を打開すべく、イギリス人が画期的な兵器を思いつきます。

戦場で重砲を蒸気自動車でけん引しているのを見たのがきっかけだったと言われています。(その蒸気自動車は米国製)

「これに装甲板つけて、陸上を走る戦艦作ればいいんじゃね?」

さすが、英国は世界屈指の海洋国家の発想。

海の王者である戦艦を陸で走らせてしまえ!的なアイデアだったそうです。

そうして考案されたのが、戦車の始祖鳥的な存在、戦車のルーツでもある、【マーク1戦車】です。


マーク1戦車/英

見た目はひし形の鉄の箱に無限軌道(以下「キャタピラ」と書きます。)がついた簡素なもの。

57mm砲×2門と機関銃4丁搭載、最高速度は時速数km/h…。

「陸を走る戦艦」というには、少し小振りで鈍足だったんですね。

ですが、その効果は絶大だったようです。

塹壕を乗り越えられるキャタピラつきの鉄の船は、

敵の塹壕をガンガン乗り越えていく。

機関銃を撃たれても、カキーン!カコーン!と跳ね返す装甲板でびくともしません。

敵の機関銃が応戦しても、そもそも機関銃に撃たれても大丈夫なように作っているから、全然平気なわけです。

そう、戦車は、機関銃で撃たれても平気な兵器なんです!

(これが言いたかっただけw)

(4)華々しくデビュー(のはずが…)

世界で初めて英国軍が戦車を投入した戦場は、

1916年9月15日、

WW1の戦場のひとつである【ソンムの闘い】でした。

ソンムの闘いでは、最終的に両軍で100万人以上の損害を出したものの、連合国軍は少しの土地をとれただけで、ドイツ側は後退を最小限にとどめたとされます。

うーん。

どっちが勝った!

とは言えない微妙な状況…。

ただ、この戦いに大きな意味があったとすれば、

長らく塹壕戦で膠着状態にあった戦場の環境が一気に変わったことでしょう。

戦車という新兵器の登場によってです。

秘密兵器の登場にドイツ側もビックリ!

したんですが…。

戦車のデビュー戦そのものは、あまり戦果は芳しくなかったようです(;^_^A

準備していた49両の戦車のうち、

動いたのは18両。

実戦参加は5両だけ。

稼働率1割…。

当時は内燃機関の技術もまだ未発達でしたし、鉄の塊である戦車を動かすだけでも、ものすごい挑戦だったことは間違いありません。

狭い戦闘室内はとても暑く(クーラーなんてないw)、無線も無かった当時は、連絡・通信のために戦車の中から伝書鳩を飛ばしていたそうです。戦車の中の暑さでハトが日和ってしまったなんて記録もあるくらいです。

世界初の戦車の実戦投入では、とてつもない大きな戦果は挙げられなかったものの、その新兵器の登場によって、世界各国のその後の防衛力整備に多大な影響を及ぼしたのは間違いありませんでした。

3.まとめ

WW1では機関銃や毒ガス、航空機など、様々なゲームチェンジャーが登場しましたが、その中でも戦場の環境を一挙にひっくり返したものの一つに【戦車】があるのは間違いありません。

WW1以降、世界列強各国は、こぞって戦車の開発、生産、戦力化に凌ぎを削っていくことになります。

そして、

WW1で誕生した戦車は、

21世紀になった今も、

陸戦の王者として君臨しています。



今回、noteをしはじめてから、改めて軍事や戦史に関するお話を題材にしたテーマで記事を書きましたが、戦車に限らず、このジャンルはネタだけは無限にあるということに気付きました。

ただ需要があるのか?と問われると、ちょっと疑問ではありますが(;^_^A

さすがに、専門的で、かつ体系的な整理がある程度進んでいる分野のお話ですので、その二番煎じにならないような工夫は必要だとも思います。



最後まで読んで頂いてありがとうございました。

また遊びに来てくださいね(@^^)/~~~

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