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声優がコルクラボマンガ専科を受講して得た変化

ゲームや広告界隈で活動している声優&ディレクターの ほたかけるです。

コルクラボマンガ専科(三期)を卒業しました~👏

コルクラボマンガ専科は、『宇宙兄弟』や『ドラゴン桜』などの名作マンガの担当編集者として知られるコルク・佐渡島庸平さん主宰のマンガ家育成講座です。3つの教えを軸に、マンガ家になるための基礎を実戦形式で学んでいきました。

1・自分を知り表現力をつける(講師:山田ズーニーさん)
2・技術をつける(講師:ごとう隼平さん)
3・マンガ家として生きていく(講師:佐渡島庸平さん)

私は三期から新設された"声優枠"での参戦!

半年間に渡るオンライン講義へ参加し、ほかの受講生の皆さんが描いたマンガを読ませて貰いました。

コルクラボマンガ専科三期・声優枠の一期生として、この半年間で自分の内面に起きた変化を振り返ってみます。

私にとっての、コルクラボマンガ専科の日々は「自分を知り、社会との距離に気づき、そこから歩み寄るための術を学ぶ半年間」でした。

【1】受講前:胸を張れる自分の作品が欲しかった

突然ですが、声優って選ばれないと成り立たないお仕事なんですね。

原稿に託された色んなものをお預かりした時の喜びは何者にも代えがたいですが、手元に原稿がなくなった瞬間、存在意義を失う怖さがあります。

お仕事でお預かりする作品、日常で触れる企画が素晴らしければ素晴らしいほど、心の何処かで「これは自分のものだ!」と胸を張れるものが欲しかったんです。

ちょうど個人でミュージカルの台本を作り始めていた事もあって、物語づくりの勉強も兼ねて、声優枠でしたがマンガ家さんの課題にも参加することにしました。

【2】受講初期:自分のやりたい事を改めて考える

コルクラボマンガ専科の講義は、一点のブレもなく「マンガ家になる」という明確なゴールに向けて、洗練されたカリキュラムが組まれています!

だからこそ、これを愚直にやり続ければ「マンガ家」として絶対に成長できる事を実感できる反面、じゃあ「声優」は何をゴールにするか主体的に決めて取り組まないと「勉強になった」「刺激になった」みたいなふんわりした半年で終わりそうな気がしました。

自分が設定した最初のゴールは「ミュージカルづくりのための物語づくりを学ぶ」でしたが、マンガ家であることに真剣に取り組む同期のみんなをみて、アレ?これ、私も真面目に声優としてどう生きるのか、改めて見つめ直した方が良いのではムーブに。

そう同期の存在がすごく嬉しい!!!わたし、今まで、人生の中で同期とヨーイドンの経験が少なくて!

大好きなアイドルを見ては「自分も同じタイミングで偶然一緒になったメンバーと切磋琢磨してみたい……」というほのかな憧れがあったので、念願が叶いました!!

色んな同期生のマンガを声に出して読むことで、私たち声優は視覚からも様々な情報を受け取って、無意識に声の芝居へ反映している事にも改めて気がつきました。

身体、動作、感情、状況、ほかにも色んなこと。これっておそらく佐渡島さんがおっしゃっていた型の暗記のお芝居版じゃないかと。役者の言葉で言うなら引き出し。

キャラの状態と感情に合わせて、暗記している身体のマッピング(筋肉の配置)に変えているんだと思います。マンガを通して、声優とは何をしている人間なのか?が浮かび上がって来たんですね。

逆に私は暗記した手クセのような芝居をしていて、一回、心に立ち返って芝居をした方が良いな!と感じました。

【3】受講中期:心の調子を崩す

講義中頃になると、伸びる人、壁を感じる人と受講生の中でも反応が別れて来ましたね・・・私も完全に自爆していました。

誤解しないで頂きたいのですが、日々本当に楽しんで過ごさせて頂いております!(多謝)

ただ去年、ちょーーーーっと家族に大変なことがあったのに、私は仕事のために培った後天的なたくましさで、何とか乗り切ってしまったんですね。具体的に書かずほんとに申し訳ない。

そんな中、講義を通して「普段から自分の感情を観察しよう!」とした結果、嬉しい!楽しい!といったポジティブな感情にたくさん気付けるようになりました!

その反面、今まで蓋をしていた感情とも向き合う事になり…あれ…?結構、かなしいし、さびしいし、くやしいし、ものすごく理不尽だし、、あの、とっても、、、

シンドイ!?  _:(・ཀ・」 ∠):_

ただ心と身体をつかう表現者として、この感情の揺れ動きを無視しない方が、自分や他者に対して正直な人間になれるんじゃないかと信じて、一度、その感情と素直に向き合ってみる事に決めました

もし似た状況になって同じような試みをする方がいたら、パフォーマンスが一時的に落ちる可能性があるので、なるべく周りに誰か信頼できる人が何人かいる状態でやって欲しいです。ひとりで乗り越えようとせず周りを頼った方が良い。

その過程でわたし…フリーランス6年生から一転、8月から人生ではじめての会社員になりました!(突然の報告

一般的な就職ではなく、私のことを学生の頃から知っている先輩の会社に、ひとり事業部を期間限定でつくって貰いました……経理窓口を会社に預かって貰っています。
先輩には昔から頭が上がりません……いつも節目ふしめで有難うございます……。

声優の仕事も直接、自分で受けているので表向きは特に何も変わっていません。社会との接点がまたひとつ増えました。

フリーで自由に大好きなお仕事をやらせて貰えているのだから、辛いことは自分だけの力で乗り越えるべきだ!と私はずっと思い込んでいたんです。

ただ、私にはそんな器もなくて。少しずつ、受け止めたり、迂回しても良いことを色んな人に教えて貰いました。

そこからは今までの自分では考えられないくらい弱音を吐いて、恥ずかしいくらいに周りを頼っています・・・(現在進行系)!うえーん、もっと格好いい人でいたい~~~!!ww

人生の中で誰しも波があるのを知ることは、表現者としてだけでなく、人間としても得難い経験でした。

この波に乗り切れば、自分以外の誰かにその順番が来た時、一緒に寄り添う勇気や優しさを持てるんじゃないかと思います。無理せず!

そして、山田ズーニー先生の「自分を知り、表現力をつける」ための講義を通じて、自分の気持ちと正直に向き合うことで、自分が本当にやりたい事も少しずつ見えて来ました。

辛くてしんどい事は勿論たくさんあるけど、私はやっぱりそのことを自分の根幹に置くのではなく、自分が美しいと信じることを表現して、異なる意見を交わす事を楽しみながら、周りの人の時間もより豊かなものにしていきたいです。

「ミュージカルをつくりたい!」という夢は、突き詰めていくと、自分の中にも誰かに届けたい思いがあって、それは究極、ミュージカルじゃなくても、自分の作品じゃなくても良いんだと気がつきました。

【4】受講後期:仕事が多忙を極める

自粛期間が終わり、2020年末まで予定の仕事がいそがしい~~~~!!!wwwwww

受講初期の「自分のやりたい事を改めて考える」と被るのですが、どっちつかずになるのは良くないな、と感じて、私は途中から明確に仕事を優先しました

自分のTwitterは、仕事でお世話になっている方々もご覧になっているので、そちらの対応が終わってない中では中々更新し辛く…!ただ、これは自分の決めの問題ですね。

仕事を優先するにしても、他の人から得られるものは絶対に逃したくなかったし、私たち声優からマンガ家さんへのフィードバックを期待して、この講義に参加させて頂いているので、講義は出席&課題はたとえ遅れたとしても提出するようにしていました。

ただ自分だけでも出来るほかの細かい復習や振り返り、習慣づけは、後からアーカイブ動画を見て追いかけたり、トライしよう!と一旦、手放しました。

↑で書いた事と矛盾しますが、本当にマンガ家を目指している、もしくは何らかの力を得たいのなら、半年間は素直に講義や課題に照準を合わせて生活した方が絶対に良いと思います。

優先順位を自分で決めて、どうしたら実現出来るのか考えるクセをつけて、実践するの物凄く大事!

ただ一方でもし心残りのある状態で半年を終えてしまった方がいたら、一番大事なのは講義をこなす事ではなく、長くマンガを描き続ける筋肉や習慣をつける事なので、頂いた資料や動画を見直して、何度だってトライして良いと思います!

そのトライを続けることで、マンガ専科に挑戦した過去自体が、さらに素敵な経験に塗り替えられるはず。

ドヤ顔で語っていますが、ようするに課題何個かすっぽかしたし、マンガが全然描けていないので後から追い掛けます~~~~!!!

それも含め2021年からセルフコルクラボマンガ専科・三期(再放送)をやる予定です!よかったら他の三期生も一緒にやりませんか!w半年間の中で読めなかった方のマンガもぜひ読ませてください!

【5】受講を終えて:世界の解像度が上がった

最初に「自分を知り、社会との距離に気づき、そこから歩み寄るための術を学ぶ半年間」だったと書いたのですが、私にとってはまさにそのとおりで。

自分がどんな事に喜び、怒り、哀しみ、楽しみを見出す人間なのかを知り、社会を注意深く観察して言語化したり、周りのみんなが描いたものを音声化することで、自分からみた世界の解像度が、この半年で少し上がりました。

それでやっぱり感じたのが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・今の私と社会、ちょっと距離遠いな!

今まで、非常に受け止めづらかったんですが、たぶん……わたし、ちょっと社会の人と価値観や考え方、テンポがズレてる気がします!!

いや、ふつうに仕事をしているし、社会の中で生きてはいるんですけど、ちょっとした違和感はずっと持っていて。だからこそ、触れ合えた!と思えた時の喜びも一塩なのですが。

この社会と今の自分との距離を素直に受け止めないことには、何もはじまらない気がしました。

社会と歩み寄るための術=物語の描き方は、佐渡島さん、ズーニーさん、ごとうさんほか講師の皆さんが手がけられたコルクラボマンガ専科の講義にいっぱい詰まっていました。

今の距離感から、どうやって社会との距離を詰めるのか。はたまた今の位置に旗を立てて、あえて社会との間合いを楽しむのか。

それを学びなおして選ぶのが2021年の挑戦になりそうです。

あと多分、歩み寄る内に自分の立ち位置も変わって来るのかも!

相当、抽象的な内容になったので、次は社会へ歩み寄るために、もう少し具体的な振り返り記事を書こうとおもいます!w

・声優からみた各講義の具体的な感想(抜粋)
・マンガ/アフレコ課題の振り返り
・事務所所属の声優がマンガ専科を受講する時に引っかかりそうなポイント

オマケ

コルクラボマンガ専科の最終講義(14回)は最終課題:バディマンガネーム(24~32P)の個別講評でした!みんなどこか不安げで、でもとても凛々しい表情で講師の方のフィードバックをきいていて、その様がとても美しかったです・・・。

コルクラボマンガ専科 4期生の募集は2020年12月初旬から📢

コルクラボマンガ専科同期の振り返りnoteをまとめました📔

記事を読んで頂けただけでもとても嬉しいです!もしサポート頂けるようでしたら、本や楽譜、機材類のために活用させて下さい。