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最近の嬉しかった話

「患者さんへの声掛け優しいなっていつも思ってます!」

1週間ほど前、初めて職場以外で後輩と話した時に言ってもらえた一言だ。忘れたくないからちゃんと書き留めておこうと思う。

看護師として働いて丸2年が経とうとしているけれど、仕事は全然できなくてしょうもないミスも沢山する。成長できているなんて微塵も思えない。1年目の後輩たちに、こんな先輩で恥ずかしい、というのが正直なところだ。
これまで発言や態度で患者さんを不快にさせてしまったこともあるし、「優しくあろう」としないとできないような冷めた人間だと自分のことを思っている。
人見知りはしないしフランクすぎるくらい。でも良くも悪くも自己と他者の境界ははっきりしていて三歩くらい引いて人との距離を保ちたい。
むしろ保ちたい距離は決まっているから、踏み込まれていいぎりぎりまでは近づこうとしているのか。
自問自答になってきたが、とにかく、そういう関わり方しかできないと自分のことを思っていたから、看護師に抱かれる「笑顔で優しい」とか「白衣の天使」みたいなイメージは無縁だと思っていた。

「人と関わる仕事」は多くあるけれど、私たちみたいな仕事が難しいのは、その関わりにおいて求められるのが「人対人」のダイレクトなものだからだと思う。患者さんと看護師の間には、例えば商品だとか、金銭だとかそういうコミュニケーションの目的となる、話者どうしの間に置かれるものがない。圧倒的に弱者である患者に対し、看護師として一人の人間として向き合わなければならない。

それは時に大きな喜びに繋がることもあればストレスになってしまうことも多い。患者さんと関わるのは怖いもので意図しない受け取り方をされてしまうことだってあるし、なんて声をかけていいのかわからないときだってある。また失敗したらどうしよう。そう思いながら働いていた。

だから彼女がくれた一言は救いだった。悩んで藻掻いて揉まれて。不器用な私なりに頑張ってきたことが、報われた気がした。
同じく看護師の母が「頑張ったことは患者さんから返ってくるんだよ」と言っていたけど、後輩から返ってくることもあるみたいだ。

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