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#5 サンドイッチを散歩する

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【サンドイッチを散歩する】
サンドイッチは中身(具)が見えているのに想像以上の味がする。サンドイッチを口に入れてパンをクッションに上から噛むと順番にハム、レタス、チーズと味が増えていき、最後に全部ごちゃごちゃになる瞬間が御馳走!ただ、よく噛みしめているとどんなに口の中でごちゃまぜにしていても味は整列され続けているのだ。どんな計算で重ねられているのだろう。一時期サンドイッチを作るのが楽しい瞬間があったけど、計算なんてできなかった。鳥のササミとかアボカドやスクランブルエッグやハムやチーズやレタスやなんやらをただ好きなものを闇雲に重ねて重ねすぎて最後にパンで思い切り押し込む時に全然まとまらなくてそれでも楽しくて押し込んで食べたサンドイッチは整列された味とは言えない出来栄えだったけど贅沢で美味しかった。計算出来たらもっと楽しいのだろうかとその時考えていても次の時にはまた同じ様に闇雲に闇サンドイッチを作ってしまっていて、自分のサンドイッチセンスの無さ(このネーミングもセンスが無い)に愕然とした。けどサンドイッチだったらそんな自分もパンで優しく包んでくれるだろうと思う。具材をパンで挟むという発想はなんて優しいんだろう。
ちゃんと計算をしてサンドイッチを作る人はどんな顔をしているのだろう。ニヤニヤしながら実験をしているのだろうか。たまに遊び心を入れてみたりもするんだろうか。

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【布団にもぐるもぐら】
引っ越した家に駐車場スペースとして車3台分のコンクリートを敷き、端っこ50cmくらいは残してそこをガーデニングスペースにした(今は雑草がボーボー)
ある日そのスペースの一部の土がこんもりと膨らんでいた。これはまさか!もぐらか!?もぐらは姿を写真ですら見たことがない生き物、イラストでしか見たことが無い生き物、もはや空想上の生き物と同じ。この場所に顔を出したのだろうか。どんな表情をしていたのだろうか。春を感じたのだろうか。まだ寒くて戻ったのだろうか。明るくてびっくりしたのだろうか。もぐらが顔を出すなんてかなり珍しい事なんだろうな。そんなもぐらを叩く「もぐら叩き」なんて残酷な事よく思いついたな。そういうことをするからもぐらさんが引きこもってしまったんだろうな。何年前からもぐらは地中に住み続けているんだろう。今は文明が進化しているのを教えてあげたい。とりあえず穴の近くにサングラスを置いて布団を敷いてあげたい。

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【夜行性のヤンキー】
お子様(11ヵ月)の寝かしつけが困難である。寝室にお子様を連れて行くと本日一番のテンションではしゃぐ、部屋の明かりを薄暗くしてもお構いなしにはしゃぐ。布団はふかふかしていて安全だと分かっているのか、上半身を少し浮かせて布団にダイブしたり、ゴロゴロ転がったり、僕や妻の身体をよじ登ってそのまま転げ落ちてケラケラしたりする。
掛け布団で身体を温めて眠くさせる作戦をしても、どうやら温められるのはお子様のエンジンらしく、すぐにウォウウォウと言いながら布団から飛び出して寝室を駆け回ってしまう。見ていて楽しいし可愛いが、ここは寝室で時間は夜。寝てもらわないといけない。
数ヶ月前はしばらく遊ばせておけば疲れてコテンと寝るから放っておいていた。しかしどんどん体力がついて来たのか、一時間遊ばせても寝ない事が増えてきた。その間スマホを見たり本を読んでも興味を持ったお子様に奪われてテイスティングされる(舐められる)から何も出来ない。己の眠気とひたすらに戦うしんどい時間が続き、最悪こちらがそのまま寝てしまう。このままでは生活がままならない!と早急な対策が求められていたそんなある日、痺れを切らした妻がスッと立ち上がり「真っ暗作戦!」と高らかに宣言をして部屋の電気を消し、寝室を完全な暗闇にした。
そして気がついた時にはもう朝だった。妻と子供はスヤスヤ寝ている。どうやら全滅してしまったらしい。過去に3回この技を使ったが、立って生還する者は居なかった。ゲームにこういう技あるよね。威力が強すぎて敵味方関係なく被害を与えてしまう技。いや、今回敵はいないから味方が全員スヤスヤ眠ってしまう技。うーん。優しいんだか凶暴なんだか。