見出し画像

大学合格!うれしいけど県外の大学で一人暮らし。遊学にかかる費用は?

 受験シーズン本番。私立、国立と一般入試が続きます。また、新型コロナウイルスの影響で、受験生は例年以上に心理的負担もかかることでしょう。それでも、子どもには希望の進路を進んでほしい、でも、その大学が、県外にあり、自宅外通学(遊学)になったら、学費のほかに、どのくらいの仕送りが必要になるのか、と心配になる方もいらっしゃることと思います。今回は、実際に1年間かかった費用や仕送りのための予算の実例をご紹介します。
*大学入試、入学等にかかる費用についての記事は、1/12「受験シーズン真っ只中! 思いのほかお金のかかる受験から入学までの費用〜大学編〜」をごらんください。

コロナ禍で大学生活を始めたAさんの場合

 リモート授業も多かったというAさんの遊学費用は、学費、一人暮らしの家賃、生活費、自動車免許取得など合わせて、2021年は239万円でした。学費は国立大学で抑えられているものの、Wi-Fiなどの設備が整ったアパートでの生活費が思いのほかかかりました。帰省費用は、航空系のクレジットカードで貯めたマイルで賄っています。
 アパートを探すときに考えたのは、エアコン、Wi-Fiなどの通信環境が備わっている学生会館タイプのアパートか、冷蔵庫、家具、布団、食器類などを揃えて、家賃自体は安いところを選ぶかでした。通信環境が整ったアパートを選び安心して授業が受けられましたが、長期休暇や緊急事態宣言下の帰省中も変わらずオプション料金を含んだ家賃を払うことになりました。大学生活に慣れてくれば、アルバイトで引っ越しも検討しています。

2021年に実際にかかった費用

教育費で預金持ち出し(5人家族、50代)

 長男、二男が遊学中のBさん。毎月、それぞれに学費も含めて16万円の予算を組んでいます。大学入学が決まり、本人もやる気いっぱいの時に、教育費の予算について話し、限りあるお金の中で工夫して暮らしてほしいと、「わたしの経済ノート」(*注)を渡しました。
 兄弟それぞれに、電気代を1000円台に収めるために節電をしたり、メールでレシピを聞いて自炊にも励んでいる様子。クリーニング代の節約のために、こたつ布団の洗い方を尋ねてきたこともあったそうです。

仕送りのために考えた月の予算

*注「わたしの経済ノート」は、婦人之友社が発行している、大学生から新社会人向けの家計簿です。

「生活費は奨学金で」と親子で話し合ったCさん

 「子ども2人が大学生になった年、教育費は純生活費の約42%に。預金引き出しが年間約90万円になったときがピークでした」と、語るのはCさん。親として、子どもたちがどのような進路を選んでもいいように、学資保険に加入するなどして経済的な備えをしてきたそうです。小学校3年から吹奏楽をはじめた長男は、全日本吹奏楽コンクール全国大会に出場できるような高校に行きたいと、高校遊学に。大学は映像学科のある大学に。長女は、動物が好きで、大学ではアニマルセラピーを学びたいと遊学に。2人とも遊学するとは予想していなかった、とCさん。
 遊学に際して、学費と家賃、通信費は家計から支出し、それ以外の仕送りはしない、生活費はそれぞれ毎月5万円の奨学金を借り、足りなければ、アルバイトで補うと、親子で話し合ったそうです。2人共、奨学金を自分で返済することを納得して、長男は就職した現在、月1万5000円ほど返済しています。

[まとめ] 受験に合格した後のお金は子どもとよく話し合って!

 いざ大学生活を始まると、案外大きなお金がかかることがよくわかります。これまでは家族がひとつの家の家計で収まっていたコトやモノが、2つの家になるわけです。どこまで親がお金を出せるかは、それぞれの家庭によってさまざまです。学費や学校にかかる教材費や共済のほか、生活にかける具体的な費用を洗い出して、どれくらいの金額でやりくりするかを親子で話し合うことが、不安の解消になります。それに合わせて、お子さんにも自分のお金の管理を任せる必要も出てきます。
 また、現在はさまざまな奨学金制度があります。それぞれの事情に合わせた制度を活用できるように、下調べをしておく必要もありますね。
 コロナ禍で、学生の置かれる状況も厳しいものがあります。親としては、オンライン授業で実家に戻ってきても、その間下宿代がかかること。子どもにとっては、アルバイトができなかったり、リアルな学生生活が制限されるなど、親子ともに先行きの見えない中、どのように過ごしていくか! 今回ご紹介した実例を参考に、新学期に新たな生活をはじめるお子さんと、ぜひ親子でお金について考える機会にしてください。

 婦人之友社が発行している、一人暮らしの学生や若い社会人向けの家計簿「わたしの経済ノート」、オンライン家計簿kakei+カケイプラスもおすすめです。


この記事が参加している募集

お金について考える

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?