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【東大家出少女V】潔癖症

みなさんは電車の吊革を掴めますか?また、家に帰ってから外着のままベッドに入ることができますか?

この辺の質問はありきたりな、綺麗好きかそうでないか見分けるものですね。テレビなどでも、タレントをこの質問に対する答えで話し合わせるなんていう企画があるのを見たことがある方も多いでしょう。

今回は、架橋セツナの母親の、異常なほどの潔癖症について、話していきたいと思います。

日常に溢れる除菌

だんだんと成長して、自分の家庭を客観視できるようになってきた私は、他の家庭の一般的な「清潔」という概念と私の家での「普通」を比較して驚く回数が増えていきました。うちの家では外にあるものは基本汚い。これが全ての前提条件です。吊革、買い物のカート、椅子、周りの人の衣服。全部汚いものとして扱うのが基本でした。この「当たり前」を生み出していたのは母親。父親はそもそもあまり綺麗好きではなかったので、どうでもいいと思っていたようでしたが、母親のルールに従わないと怒られるので従っていた、という感じだったのです。結果、母親が絶対的な「清潔」という概念の管理者だったので、家族それぞれが外出時には除菌シートやスプレーを持ち歩き、家に帰ってきても外で使ったスマホなどを除菌してから使う、など日常が除菌に溢れかえっていました。

よくあったのは、母親と共に買い物に出かけた時、(というより荷物持ちとして連れ出された時)スーパーが混んでいて、意図せず母親に誰かがぶつかってしまい、母親はそれに対して大きな舌打ちをして「もう、汚い、最悪」と悪態をつく、という事態。もちろん相手にも聞こえる声量です。最悪なのはその常識はずれな言葉を公共の場で発する人間と一緒にされる私ですよ、全く。私が誰かにぶつかられた時は、母親はその様子を見て「何してんのよ、鈍臭い、服が汚くなったじゃない。」などと言ってきました。その後どちらの場合でも、ぶつかられたところを念入りに除菌シートで擦っていましたね。本当に意味がないことだと思うんですけど…。

他にも、例えば旅行に行った際、ホテルにチェックインして部屋に入ると、まず最初に始まるのは部屋の除菌。トイレ、お風呂、洗面台、電気のスイッチ、テレビのリモコン…。数時間かけて掃除するんです。しかも、これも母親のこだわりで、4つ星以上のホテルに滞在するのが基本。サービスが行き届いていないと掃除がちゃんとされていなさそうで(完全な偏見ですね)嫌なんだとか。それでもさらに自分の手で除菌しないと耐えられなかったようです。しかもですよ?そうやって除菌していたのは母親の自己満足でしかないというのに、それを褒めるように仕向けてくるんです。「お母さんこんなに綺麗にしたの。移動で疲れてるのに休まずに働いたのよ。感謝しなさい。」誰も頼んでいませんが!?じゃあ旅行しなくてもいいんじゃないの?と思っていました笑

家の中でも権力を振るう潔癖

みなさんは家着とパジャマって別ですか?この辺りの常識については、私はあまり詳しくないのですが、とにかく私の家のルールを書いていきますね。

学校から帰宅した時のことを一例に取りましょう。まず、扉を開けると玄関に新聞紙が敷いてあります。靴を脱いで廊下に上がると同時にその新聞紙に乗るような状態になっているわけですね。そこに荷物を置いたり、靴下を脱いだりします。母親的には荷物は外で下に置いたりするから汚いし、靴下も上履きなどに履き替えるときに学校の廊下を靴下で歩くことがあるから汚い、という判定なんですね。そうして裸足になった私は念入りに洗面所で手を洗い、自分の部屋に行きます。するとここにもまた新聞紙が。その上で制服などの外着を脱ぐわけです。制服で学校の椅子に座っているから汚いんだそう。あとは家着に着替える、という感じでした。

そうして決まった時間にお風呂に入って、上がったらパジャマに着替える。この感覚はまあ持っている方も多い気がしますね。ただ、家出当初友達の家を転々としていて驚いたのは、みんなよくお風呂に入った後に、またはシャワーを浴びた後に、コンビニで夜食を買ったり、外出したりするんですよね。完全に頭の中にあった常識が瓦解したのを感じました。私の家ではお風呂は絶対的なもので、お風呂から上がった状態のまま、すなわち一番綺麗な状態で就寝する、というのが当たり前だったのです。だから、疲れて帰ってきてばたんきゅーして朝シャンというよく聞く流れが家出してやっと理解できるようになりました。

ですが、私は父親に似たのか、そこまで潔癖症ではなく、こだわりも強くなかったので、気づかず母親の清潔ラインを下回る行動をとってしまうことも多く(というか誰でもそうなると思いますが)、無限に汚いという形容詞を連発されていました。

プールという地獄

小学校、中学校、高校と続く体育の授業の中で私が一番嫌いだったのはプールです。私、実は25mも泳げないカナヅチなんです…。それはまあ置いておいて、プールっていうのは潔癖症にとってはかなり汚いものの部類なんだそうで(私も母親の影響で汚いと思ってしまいます)、プールに入った日は早く家に帰って、まず全身を2回洗ってプール用とされた家着に着替え、夜のお風呂でも2回髪や体を洗う。うちではこれが当たり前でした。泳げない上に家に帰るといつも以上に不機嫌な母親が待ち構えていて何度もシャワーを浴びないといけないので、プールは本当に嫌いでした。

最後に

いかがでしたでしょうか。潔癖症であること自体には別に何も思いません、自由だと思います。でもそれを人に押し付ける、公共の場で文句を言う、それは違うと思いませんか?
今では汚いなどという言葉とは無縁で生活できるので、とてもストレスフリーです!こういう被害を被る人が減りますように。

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