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【著作権の基本11】著作権のほかに知っておいたほうがよいこと

取引は自由というのが原則です。保護を基本とする著作権法は、取引ルールの例外を定めたものとも言えます。
制作者にとって大事な権利であることは間違いないですが、これが絶対ではありません。著作権法的にOKだったら全部OKというわけではないのです。何か行うときには、ほかの権利にも配慮が必要になることがあります。軽く触れておきましょう。

肖像権・プライバシー権に配慮しよう

肖像権とは、自分の顔や体を許可なく公表されない権利です。そしてプライバシー権とは、みだりに私生活を公表されない権利のことです。いずれの権利についても、どこかの法律に出ているわけではないのですが、今日ではほぼ一般的に認められている権利とも言えます。

何かしらの創作を行う際に、街の中で映像や写真を撮影すると不特定の通行人が写り込んだりします。こうしたときに、著作権法的にはクリアできていても、写っている人々の肖像権やプライバシー権への配慮を欠くことになってしまうケースがあります。

これら権利は法律で決まっているものではないので、どこまでならOKという基準もあいまいで、非常に判断に困る事例が多発しています。
とりあえず、著作権と同様に、肖像権・プライバシー権についても配慮を忘れないようにしようということを頭に入れておいてください。

商標には強い権利がある

商標とは、商品またはサービスにつけられる「目印」です。日本では、この目印を「商標登録」することで、特別の保護を受けることができます。
著作物とならないような「商品名」や「商品ロゴ」は、別途商標としての保護を獲得することで、広く用いることができる場合があります。

商標はいったん登録して、更新料を払い続けさえすれば、ずっと存続する権利です。

逆に言えば、著作権法的には問題のないことも、商標の観点からは行うことが難しいという判断になる場合があります。著作権侵害の場合は、「真似した」(依拠した)、「複製した」等々、もともとの著作物を知っていることが要件となっていますが、商標の場合は、たとえ使用者が知らなくても権利侵害が成立することになります。

「知らなかった」では済まされない点で、商標は著作権より強い権利と言えます。商標にはとても気をつける必要があります。

▼出典
『駆け出しクリエイターのための著作権Q&A』
(川上大雅・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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