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【著作権の基本2】インターネットによって広がる問題

インターネットが普及し、誰もが制作者になれる時代がやってきました。
ユーチューブ、フェイスブック、フリッカー、ピクシブ、ノート、ケイクスなど、自ら創作したものを手軽に発表できる場所はたくさんあります。
それを行うための機材も身近になり、写真もアニメも映画も、作ろうと思えば個人で以前よりは圧倒的に簡単に、誰でも作れるようになりました。

ユーチューバーなどのネット配信者が、プロサッカー選手、プロ野球選手を追い抜き、小学校男子の就きたい職業ランキング1位になりました。自分を表現することが職業になり、それが憧れにもなるのが現在です。まさに誰もが「クリエイター」です。

著作物の大拡散時代

インターネットは、大量の映像や写真、音楽、イラスト、文章に誰でも簡単にアクセスすることをも可能にしました。
パソコンで「Ctrl+C」を押すだけで、コピーができてしまいますし、スマートフォンのボタンを「2つ同時押し」するだけでスクリーンショットを撮ることもできてしまうのです。

ツイッターやインスタグラムでは、「いいね!」の数が競われています。リツイートボタンひとつで、映像や写真、音楽、イラスト、文章、これらクリエイションが拡散していきます。拡散のスピードも非常に上がりました。いったんツイッターの「トレンド」に掲載されると、一晩で数万を超える反応が返ってくることもままあります。

誰がコピーをしたのかもわからないまま、どれがオリジナルなのかもわからないまま、あっという間に大量のコピーが拡散していく時代が来てしまいました。

そして、こうしたコピーで拡散していく制作物はほぼ全部、著作権法の保護の対象となる「著作物」です。
「著作物」の大拡散時代が来てしまっているということです。

このように、「誰もがクリエイター」となりえ、「著作物」が大拡散してしまう現代においては、制作者が抱える問題、対応しなくてはいけない問題は爆発的に増えてしまったともいうことができます。

著作権法で何が保護されるのか

このような話を踏まえて、また著作権法を見てみましょう。著作権法の二条には、どんなものをこの法律で保護するのかが書いてあります。
保護されるのは、「著作物」であり、「著作者」です。

第二条 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
 一  著作物 思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学
    術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。
 二 著作者 著作物を創作する者をいう。

ここには、著作物の定義が書かれています。大事なところを抜き出しておきます。

「思想又は感情を創作的に表現したもの」
「文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するもの」

わかるような、わからないような文言ですけど、「創作的に表現したもの」で、「範囲がある」ことを覚えておくと、よいです。日本の場合、著作物に該当すると、とても強い権利が与えられることになっています。そこで保護する範囲をある一定の範囲に決めてもいるわけです。

著作物の種類についても、著作権法には書いてあります。

第十条 この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
 一 小説、脚本、論文、講演その他の言語の著作物
 二 音楽の著作物
 三 舞踊又は無言劇の著作物
 四 絵画、版画、彫刻その他の美術の著作物
 五 建築の著作物
 六 地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作
   物
 七 映画の著作物
 八 写真の著作物
 九 プログラムの著作物
2 事実の伝達にすぎない雑報及び時事の報道は、前項第一号に掲げる著作物に該当しない。

「映像や写真、音楽、イラスト、文章」は、基本的には著作物となるということです。
著作権法の第二条と第十条の内容をまとめると、「創作的に表現した」「映像や写真、音楽、イラスト、文章」といったものは著作物になって、著作権法の保護の対象となるということです。
まとまったような、まとまってないような……。話を続けていきます。

著作物の例

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▼出典
駆け出しクリエイターのための著作権Q&A
(川上大雅・玄光社)
キャラクターデザイン=山内庸資


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