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オタクの性質

オタクあるあるに「擬人化しがち」というものがある。

読んで字の如くオタクは何でもかんでもすぐに擬人化(あるいは美少女・美男子化)するのだ。最近だと競走馬が有名だろう。ちなみにこれには個人差がある。

私も根っからのオタクだからその御多分に洩れず何でもかんでも擬人化させる。小学生の頃はマリオの敵キャラを擬人化した漫画をノートに描いていたしついこの間は駄菓子を擬人化した。何も成長していない。

そんな私には中学生の頃から「擬人化」させ続けているものがある。


それは数式である。


というよりも計算過程や数字だ。

例えば2はツンケンしたショタで8は温和なお兄さん、9は頭の切れる社会人で5はスポーツ万能な高校生になる。

計算式となるともっと込み入ってくる。

やたらと長い式の因数分解なんかはクールな天才肌に真意の読めないお調子者(暗い過去がある)がちょっかいをかけている感じがするし、積分は黒髪ショートカットの未亡人(口元にほくろがある)と隣に住んでいる大学生(経済学部3年)が互いのベランダに立ってシガーキスをしているような感じがする。(要はちょっとえっち)

私はずっとこのように感じながら解いてきたにも関わらず、未だ誰にも理解されたことがない。

それどころか「え…キモ……」と言われてしまう始末だ。わたしは悲しくて仕方がない。


長い間擬人化し続けていると、もはや意識しなくても勝手に想像できてしまうようになる。今の私は完全に無意識で数式を人間として捉えているのだ。

これが続くとどうなるのか。

数学が商業BLになる。

なぜかはわからないが私が擬人化すると大抵は男性になってしまうのだ。
男性キャラがわちゃわちゃして徐々に雲行きが怪しくなり、最終的にBLに落ち着く。理由はわからない。

数学の問題集がある時点からBL本になる。上司×部下(図形の性質)、おにショタ(2次関数)、理系高校生(三角比)……色々なカプが収録されている。地雷がなくて本当によかった。

たまに自分の趣向にあったカプを見つけて嬉しくなる。これは自分がこの性質で良かったところだと言えるだろう。このことを楽しみに数学の問題集を開いたこともあった。

オタクの性質が勉強に活きることもある。これからはオタクを恥じずに生きていきたいと思う。


ただし、数学の成績はずっと低いままである。

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