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クリスマス カウントダウン #14 思いがけない贈り物

これが欲しい!と言ってプレゼントされるのは、もちろん嬉しい。
が、
思いがけずに頂いたものの方がなぜか記憶に残っている、ということもある。


なぜだろうか?
ふと手にした一冊が
「思いがけない贈り物」である。


クリスマスイブの夜
仕事を終えたサンタクロースの手元に残った人形
はて?だれの分だろうか?
パソコンで検索する
人形をもらわなかった子は
女の子が6人
男の子が234万8167人!!
迷わず女の子6人の元へ行くこととする 


アントニア
たくさん人形をもっている
でも本当に欲しい人形にはめぐりあっていない
まだ見ぬ人形に思いを馳せている


シャルロッテ
持っているのは陶製のアンティーク人形ひとつだけ
人形には興味がなく、化学の実験セットをもらい、ノーベル賞を夢見ている


ガビ
ことばがしゃべれる人形をもっている
でも今欲しいのは最新のもっとことばがしゃべれる人形


リザ
素敵なドレスを着たバービーが大好き


ニコレ
体が丈夫ではなく、外で遊び回れないためか、おもちゃをたくさんもっている
部屋はおもちゃだらけで足の踏み場もない


ゾフィー
テレビゲームに夢中
欲しいものは子供用のミニバイク


ひとりひとり訪ねるも、どの子も違う
困り果て
「だれか人形を欲しがっている子を知らんかね?」


「どこかの男の子にあげたら?いま、お人形遊びしたい男の子っていっぱいいるよ」


アルベルト
妹の人形の髪の毛を切り、丸坊主にしてしまう
この子は将来美容師になりたいのかもしれない
と大いなる勘違いをしている両親がいる


アンドレアス
スーパー宇宙ロケットに夢中
乗組員の人形は男ばかり
ちょうど女の子の人形が欲しいと思っていた
きれいで、コーヒーを入れてくれて、掃除をしてくれる、そんな人形が欲しいという


いったいこの人形は誰の元へいくべきなのか?


古くからの友だちミセス・ハッピーとミスター・ラブに相談する
なんとかして人形を欲しがっているこどもを探したいサンタクロース
だが、時間がない
やむをえず、こどもでなくてもいい、年のいった人でもいい、気の毒なひとりぼっちの老人でもいいからと


ミセス・ハッピーは言う
「いっそあげないほうがいいですよ。だれもほしがらないからって、あまったものをもらったりしたら、ハッピーになるどころか気がめいってしまうでしょうよ」


ミスター・ラブは言う
「みな、軽率に人に物を贈りすぎますよ」


サンタクロースは人形に問う
「本当にだれかおまえを待っている子がいるのかね?」


人形は答える
「あたし、シモネッタっていいます。アントニアが待っている。ただし、10年後。プレゼントの待合室からはみだしちゃったんです」


アントニアの枕元へ届けられたシモネッタ



思いがけない出来事がその贈り物を特別なものにする。


贈り物をする時、相手に喜んでもらいたいという思いは誰しもあるだろう。
ミセス・ハッピーが言うように、気持ちのこもっていないものをもらっても嬉しくない、かえって気が滅入ってしまうのではないか。
やはり、相手を思う気持ちが込められてこその贈り物ではないだろうか。


軽率に贈り物をしすぎる、というミスター・ラブの言葉にも贈り物の意義を問うメッセージが込められている。


ものがあふれる現代
選択肢が多すぎて贈り物選びも難しいが、
贈り物の原点に立ち返って考えてみたい。


そして、贈り物を頂いたときは、込められた思いも受け取って、相手を思う気持ちを忘れない自分でありたいと思った。

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