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フルライフ(充実した人生)にするための人生戦略

フルライフ 今日の仕事と10年先の目標と100年の人生をつなぐ時間戦略(著)石川善樹」は、2020年4月に出版された本です。

著者は、予防医学研究者・医学博士の石川善樹氏です。「人がよりよく生きる(well-being)とは何か」をテーマに、企業や大学と学際的研究を行われているそうです。

著書も「友だちの数で寿命はきまる」、「問い続ける力」など、おもしろい本を多くだされています。


フルライフ(充実した人生)にするための人生戦略

本書の目的は、フルライフ = 充実した人生にする手に入れることです。
本書では、そのために、人生の時間のどう使うかの戦略から、戦術例まで書かれています。

最初に、「フルライフとは何か?」という問いに答えを出すために、「フルライフの真逆にある、エンプティ(空っぽ)な人生とは何か?」という問いをだします。

そして、「何も誇ることがない、後悔だらけの人生」が、エンプティな人生とされています。後悔には、①やってしまった後悔と②やらなかった後悔があり、「やらなかった後悔」は囚われてしまうときりがないとあります。

では、「後悔が生まれる原因は?」という問いを立てられ「時間には限りがあること」という答えを出されています。
そして、時間に限りがあるからこそ、後悔のないように時間を使うための戦略(重心)を示しています。

人の時間を、「Being(いる)」「Doing(する)」という分類をし、限られた時間のなかで、どうバランスをとるべきかとい重心のとり方を抽象から具体まで説明されています。

人生の戦略全体

人生を時間軸で整理し、「3つのフェーズ」にわけています。
それぞれで、どういうアクションをするべきなのかを書かれていますが、「組織にいながら、自由に働く(著)仲山進也」にでてくる「加減乗除の法則」に通じる考え方になっています。

これは、分野にもよりますが、一般的には、成功を手にするには、しっかりと実績を積み上げ、実力と信頼を得られた上での幅を広げた展開が可能になるということだと感じました。

本書では、仕事という観点で、「信頼」が重要であること、3つのフェーズ毎に、誰の信頼を得るべきかということまで書かれています。

「ハードワーク期」:質の高い仕事をし、一目置かれる仕事を積み上げるイメージ(上の世代の信頼を得る)
「ブランディング期」:周りからの信頼を集め、仕事の幅を広げ、自分のブランドを固める(同世代の信頼を得る)
「アチーブメント期」:自分の仕事を社会的に還元していく時期(次世代の信頼を得る)

これは、「仕事」という言葉ですが、たとえば、趣味の音楽や園芸といったものでも活用できると思います。

うかつに仕事をはじめない、うかつに仕事を終えない

時間戦略のなかで、「1日の時間戦略」は、かなり具体であり、実行しやすいです。

まず、よい1日を過ごしている人と過ごせていない人との比較から、よい1日を過ごす人は、「自分の仕事を俯瞰したうえで、主体的に取り組んでいる」ということでした。また著者は、日中に起こることは自分自身でコントロールできないため、コントロールできる仕事の始まりと終わりに注力するという考えでした。

これは、「受け身で1日を過ごさない」ということです。

自分の人生を生きるには、誰かに要望に答えるまま過ごしていてはいけません。「よい1日」であるためには、可能な限り主体的に自分の人生をコントロールする必要があります

そのために、仕事のはじめと終わりという、他人に干渉されないところを注力することが、よい1日を過ごしている人と、過ごせていない人の差になっています。

10年先の目標を設定する方法

次に、「10年の時間戦略」を設定する方法です。

10年後の目標を設定するのは難しいです。
なぜなら、現実から積み上げで考えると、「夢」に到達するにはかなりの乖離してしまうことになります。また、「夢」を目標だけ設定しても、どう実現させるかがないと、意味がありません。

ここでも、成功者の目標設定方法を参照します。

成功者は、目標を3段階にわけて計画を立てています。
ここでは、3年目の目標設定になっています。

目標
・1年目:Build期(組成する)
・2年目:Model期(定形をつくる)
・3年目:Scale期(拡大する)

この目標を3段階にわけることで、非連続の成長であっても、実現可能性のある目標を設定することができます。

ここでのポイントは、「どうレバレッジをかけるか?」です。
この「レバレッジ」のかけかたが、うまいと大きく成長することが可能になります。(それを実現することも重要ですが、後悔のない行動をするための時間戦略という意味で重要です)

このレバレッジは、積み上げの成長ではなく、何かを実現すると、全体が大きく動き出すようなレバーである必要があります。例えば、フランチャイズにできる事業モデルを作り上げることかもしれませんし、何かの賞を受賞することで認知を拡大することかもしれません。

そして、3年後の目標を3段階で設定できれば、同様に3段階で、10年後の目標を設定します。つまり、この3年を1つのフェーズとして、3年 x 3段階で、10年後の目標を設定します。
そうすれば、現時点では、まったく達成する可能性のない「夢」であったとしても、1年毎に目標を達成すれば、実現する可能性が見える、意味のある目標を設定することができます。

まとめ

本書は、著者のフルライフにするための様々な「問い」が書かれています。

その「答え」が本書のコンテンツですが、どういう「問い」を立てているかということも参考になると感じました。

本書を読むことで、同じ「問い」を自分にしてみて、どういう「答え」を自分が出すのかをみることも非常に学びになると思いました。

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