サービスや商品を魅力的にする原体験 / 原体験ドリブン
・やりぬく力が持てる
・提供するサービスに「意味の価値」をつける
・原体験は誰にでも存在する
上記の内容は、「原体験ドリブン~人生の答えの9割がここにある!(著)チカイケ 秀夫」に書いてある内容です。
本書は、「原体験」という自分のルーツを意識し、ブレない「軸」を持つことができる本です。
著者は、100社以上のスタートアップ企業のブランディングを支援しているとのことですが、原体験がスタートアップのブランディングにとって非常に重要であり、起業家には必ず原体験を見つけるワークをしているとのことでした。
私が、スタートアップやまだ事業が固まっていない企業のお手伝いをするときに、「軸」が定まっていない企業・経営者に出会うことがあります。そうした場合に、事業の打ち手や組織がバラバラに動いているように感じることがあります。逆に「軸」が定まっている場合は、事業や組織に一貫性を感じる事が多いです。
「軸」があるから成功する。「軸」があるから組織がまとまっている。とまでは言えませんが、ただ「意思決定が早い」ということは共通して言えると思います。そして、意思決定の早さは、スタートアップや新規事業には必要な要素だと思います。
原体験は誰にでも存在する
本書では、「原体験は誰にでも存在する」と書かれており、実際に原体験を発見するためのワークが紹介されています。
私は、「原体験」とは、過去の行動から、今の想いに意味をつける行為だと感じました。何を原体験とするかは、無意識に存在している「想い」に紐付けられ、因果関係になるものが選定されるのではないでしょうか。
では、原体験が、過去ではなく今の想いという結果を結びつけるものだとすれば、原体験を発見する価値はなんでしょうか。
原体験の価値は、可視化することで、未来の意思決定に軸をもてること、そして、「意味の価値」を生み出すことではないでしょうか。
意味の価値
本書の中で登場する uCCI さんと考えた「デコレーション補聴器」について、難聴のuCCIさんと、著者では発言の重みが違うと書かれています。
「重み」というのは抽象的な言葉ですが、重みということを、その商品やサービスの「意味」が付与されています。
山口周さんは、「ニュータイプの時代」で、これからの時代は「役に立つ」から「意味がある」へと価値の源泉がシフトしていくと書かれていましたが、この「デコレーション補聴器」もその事例ではないでしょうか。
例えば、これを「かっこいい補聴器」どうですか?
ではなく、「人と違うことを見られるのが嫌だった。だから、人との違いをネガティブからポジティブに変えたい」「障害・補聴器というネガティブなものから、魅せるものに変える」「かこいい補聴器」どうですか?
後者の方が興味が湧くのではないでしょうか。同じ商品でも、「差」が存在するものだとすれば、「意味の価値」ではないでしょうか。
uCCIさんが補聴器について発信することは、僕とは比べものにならないほどの説得力と時間的な厚みがあるのです。
引用:チカイケ 秀夫. 原体験ドリブン~人生の答えの9割がここにある!~ (Japanese Edition) (Kindle の位置No.255-256). Kindle 版.
まとめ
本書では、原体験を見つけるための個人ワークやペアワークについて掲載されています。ワーク自体は難しい内容ではないですが、自分の原体験として定めるのはなかなか難しいと感じました。
定めるのが難しい理由は、「軸」となるように、本気で思い込めるかどうかは、自分自身にかかっているからだと思います。
ここで、曖昧な気持ちのまま原体験を定めても価値がありません。この本の価値を最大限に引き出すには、本気で向き合う必要があると思います。
現状を打破したい人や、何かにチャレンジしたいと考えている人は、ぜひ、本気で本書に向き合ってみてください。
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