象牙色

秋も終わる頃、象牙色に変わったすすきを目にする度に今年のすすき絵はいいものにしたい、と創作意欲に駆られます。

車窓から見たすすきは廃線を埋め尽くし、錆びた鉄柱とレールがもの悲しさを演出しているようでした。

「ここで止めてくれ、ここで降ろしてくれ」と言いたい程の心情でした。

鶴見線の廃線とススキ

車窓の風景は一個人の要求などかまっていられません。あっという間に住宅が密集する車窓へと変わっていきました。

私は残像を頼りに次の駅で下車して、画帳に描きとめました。残像ほど当てにならないものはありません。それは思い込みが強くなるからでしょうね。しかし、これが絵となると残像こそ創作意欲をかきたててくれるのですから不思議なものです。

途中下車で描きとめた一枚。思い出せなかったのが空の色でした。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?