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「 劇場版 おうちでキャノンボール2020」の感想メモ

※未見の方も読めます。公式が禁止しているネタバレには触れていません。
※筆者は「劇場版テレキャノ2013」は見ていますが、初期BiSが好きなのにもかかわらずアイドルのほうは未見です。すみません、ちゃんとみます。ご了承ください。

2020が公開されていたのを知ったのはつい最近で、5月中旬にいったんの東京ラスト上映だということで滑り込みで観てきましたよキャノンボール。今回も最高に面白かったです。私が言うまでもないですが、その魅力と思ったことをメモしていきたいと思います。

エロという角度で観た人間ドキュメント

テレクラキャノンボールという存在を知ったのは、「劇場版テレクラキャノンボール2013」がじわじわと話題になっている頃でしょうか。当時NATURE DANGER GANGやhave a nice day!の現場で、ハマジム(※アダルトビデオメーカー)の人たちがカメラを回していたこともあり、親近感から鑑賞しました(そこから生まれたハバナイの映画「モッシュピット」も面白かった)。

キャノンボールとは、女の子と出会ってエロいことをするために、バイクを飛ばし、ステージを転々としていくAV監督たちのチキチキマシン猛レース。男性の“ムラムラした気持ち”からくるバカバカしさ(褒めてる)が先だったコンセプトはおかしいし、眩しくて憧れの気持ちが湧きました。

ハメ撮りされる女の子たちも、それぞれ背景があって、AVの冒頭インタビューだけじゃ描けない事情と情緒が詰まっている。リアルすぎてきついシーンもあるけど、なぜだか悲壮感がない。スクリーンの目の前で起きていることは、私たちのすぐ目の前のこと。すなわちエロという角度で観た人間ドキュメントなんですよね。

コロナ渦ならではの劇場版2020

「劇場版2013」に衝撃を受けてから、もう気づいたら2020。コロナ禍なわけで、うまく出会えたりやれたりできないわけですよ。私たちに生まれてしまった距離感は今作にも健在で、出会えた子とは距離をとりながらエッチなことをさせていくわけです。

ここで「どういう手段で距離をとるか」が、今作の面白さを左右するとは思っていなくて、本当に驚いたし、感動したし、笑わせてくれました。

詳しくは観ていただきたいんですが、AVとしての演出を大事にする人もいれば、ちょっと不器用さが出ている人もいて。キャノンボール的に採点はつけられますが、決してそこには良い悪いはなくて、人間臭くて、とてもよいのです。

コロナ禍だから描けるラスト

最後のコロナ禍における問題提起な映像つなぎと、海のくだりは前作以上にグッときました。コロナ禍という同じフィルターを通して眺めると、そこで語っているのは決して他人じゃないし、自分にすら見えてくるので不思議でした。

エロいこと、ちょっと笑えること、社会派なこと……ありとあらゆるやりたい事を詰め込んだハマジムの仕事に、今回もひたすらうちのめされてしまいました。また、続きをよろしくお願いします!

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