ひとり暮らしは楽しい
わたしは27歳でひとり暮らしを始めた。
今回は、生きづらいわたしが一人暮らしで得た小話をいくつかしたい。
「主人公・自分」で生きる大切さ
一人暮らしを始める前は、親に寂しい思いをさせてしまうのではないか心配した。親は「実家は貯金できるからそのままでもいいんじゃない」とか言って、引き止めてくる。
でも、実家にいると得られない知識がたくさんある。賃貸の契約について、ゴミ出しの日、水道やガスの契約。公共料金の高さ。
こうした生活の知恵を身につけながら、自分で自分の舵をとる。自分を主人公に置き、生活することで自分を愛すことができるんじゃないかと思ったのだ。
実家遠すぎる問題
実家は都会の中の田舎。会社からはドアツードアで2時間、電車からバスに乗り換え、最寄りのバス停を降りると、家までは電動自転車でも厳しい坂道が10分以上はついてくる豪華オプションつき住宅(嫌味)だ。
そうなると、大変なのは雪。路面凍結対策で長靴に雪用の爪をつけて出勤したり、タクシーの運転手に「行けるところまででいいです!」なんて言いながら危険なドライブをしたこともある。
「バス停が坂の上にもできるかもしれないし」と母親に言われ続けて25年は経ったころだろうか、「坂の上にはバス停なんてできない」と悟った。
家の風呂に追い焚き機能がついていないと20年以上勘違いしていたくらいの母だから、信用ならない。実家は母が気に入って決めた家らしいのだが、立地のパラメーターがマイナスに全振りされていて、なぜここがよかったのか、今でも理解ができない。
なので私は、駅からも首都圏からもアクセスがいい家に決めた。家族がいるなら別かもしれないが、ひとりだから時間をお金で買った。
ほんとうの自立がはじまった
自立とは何か。自分の金で生活することだとばかり思っていたけど、違った。
たくさんある選択肢のなかから、親由来の考え方や思い込みを切り離しながら自分で最適を判断していく。これが、一人暮らしをはじめてからの真の自立だった。
夜にカップラーメン食べちゃダメ、朝はカーテンをあけるべき、ご飯を食べたらすぐに片付ける、など、実家で習ってきたべき論を見直し、時に完璧で、ときに怠慢でもいい。自分の世界がひらけたような気がした。
ひとり天国
現状、結婚する予定はないので(結婚には興味がないというのもある)、しばらくひとり暮らしを謳歌したいと考えている。ここは私の城だ。
家にはひとりしかいないから、そのぶん自分と向き合うことも多くて辛いこともある。それでも、自分が自分のために作ったこの城は愛することができる。我が城で、自分が自分でいられる貴重な時間を大切にしていきたい。
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