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オンラインでサードプレイスを作るためには意図的な制約が必要

サードプレイスという言葉を皆さんどこかで聞いたことがあると思います。

サードプレイス”第3の場所”ですね。
通常、自宅と職場と別の第3の場所のことを示します。

サードプレイスについてはいくつかの定義がありますが僕は以下のようにイメージしています。

・自発的にフラットな関係で人が集まる場所
・ゆったりして居心地の良い場所
・自然発生的に会話が生まれる場所

お店の人と気軽に会話ができる居酒屋やショットバー、スナックみたいな場所をイメージします。趣味のサークルなどもサードプレイスになると思います。

ひょっとすると、スタバや本屋や漫画喫茶などを会社から家に帰る前による場所として、サードプレイスとしてイメージする方もいらっしゃるかもしれません。
でも、僕のイメージではサードプレースはその場にいる人のあいだでの交流が生まれる必要があると思っています。ですからただ一方的にサービスを受ける場所はサードプレイスとしては弱いです。

実は一見フラットでだれでも参加ができる様に見えるサードプレイスにも、参加するためにはいろいろな制約があります。

・時間・物理的な制約 ・・ 物理的にその場所にいなければいけません
・金銭的な制約 ・・ 会場費、飲食するお金など金銭が必要です
・行動の制約  ・・ その場所にふさわしい行動・振る舞いをしなければなりません。
・見た目姿の制約 ・・ その場所にふさわしい格好をしなければなりません。

サードプレイスはいろいろな制約があることでその空間を居心地の良さを作り上げています。
高級な場所なのか大衆的な場所なのか、規律正しいのかぐじゃぐちゃなのか居心地の良さは人によって変わります。その空間の居心地が良い雰囲気は、そのサードプレイスを提供する側だけではなく、参加する側が醸成します。複合的な制約があることでそこを居心地が良いと思い人だけが残り残った人が雰囲気をさらにつくるのです。

制約があることによって価値観が会わない人は離れ、価値観が合う人が残り集まるのです。

皆さんにもそんなサードプレイスはあるのではないでしょうか。

さて、今は、いままでこんなにたくさんの人が在宅勤務をしたことが無いのではないかという状態です。

多くの人が在宅勤務になった今、第1の場所、第2の場所が同じ自宅になってしまいました。
そんなときには、余計にサードプレイスがもとめられてきます。
ただ、現在の状況ではサードプレイスの場所に行くことができません。

そうなってくるとオンラインでのサードプレイスをつくりたいと思う人もいると思います。オンラインサロンやオンラインコミュニティという形かもしれません。

そんな人がオンラインで場をつくろうとするときに起きがちな失敗は、

みんな集まれー

としてしまうことです。

物理的な場所ならみんな集まれーでもいいのです。
みんなと言いながら、いろいろな制約がありますので集まる人が限られるからです。
場所が遠い、お金がかかる、ひょっとすると着ていく服がないという理由かもしれません。
自然と参加する人が自ら判断して参加者が限られます。それがサードプレイスの制約による効果です。

ところが、オンラインで実施するとその制約がなくなってしまいます。

・時間・物理的な制約 ・・ ネットが繋がればどこからでも参加できます。ZOOM会議などのオンラインでなくFacebookグループなどのコミュニティであれば時間も自由です。
・金銭的な制約 ・・ 会場費、飲食するお金など金銭なしで開催できます。
・行動の制約・見た目姿の制約  ・・ カメラオフ、マイクオフすれば何をしていてもわかりません。パジャマでも大丈夫です。

そうなってくると、本当にだれでも参加できます。

制約がないことはとてもオンラインらしくとても素晴らしいことではあります。

でも、このやりかたでは、主催者からの一方的な情報提供はできるかもしれませんが、サードプレイスの居心地の良い自発的な交流が形成されません。価値観を共有できないからです。

それでは、どうしたらよいでしょうか?

オンラインのサードプレイスでも、意図的に制約を作ります。

 ・【属性】属性を限定する。学生、地域、資格、コミュニティなど
 ・【準備】参加する前に自己紹介をすることを義務にする
 ・【見た目】カメラをオンにすることを義務にする
 ・【行動】お酒を飲む、同じ本を読むなどその場での共通行動を定める
 ・【金銭】有料にする

などです。

そうすることで参加する人の制約をつくることができ、参加することのハードルが上がることによりそれでも参加したい人が集まります。

制約にそった価値観が合う人が集まるのです。

価値観が合う人が集まることにより、安心の空間ができ一方的ではなく参加者のあいだでの交流がうまれます。

自発的な交流がうまれることで、そこがオンラインでのサードプレイスとして成立するのです。

ぜひ、この閉塞した時代にあたらしいサードプレイスを作ってみてください。


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