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今聴いてる曲で語る: Riptide

去年、初めてパリへ一人旅をした。そのとき、So far so goodのアルバムを繰り返し流して歩いた。

推しがパリへ留学に行っているので、その空気を少しでも味わうために行った。たまたま見たときに航空チケットが安かったことも助けて、勢いで決めた。
英語圏ならまだしも、Bonjourくらいしか知らない言語圏に行くことは少し怖かった。泊まる予定だった先も、英語があまりわからないオーナーということで、行く前は緊張し通しだった。

服は鎧だと云う人がいる。言葉が盾になると云う人もいる。そういう人たちのそれと同じように、私にとっては音楽が自分を守り支える鎧だ。異国の地の雰囲気を完全に損なうことのないように、いつもより小さい音で、ただし、孤独に負けないように、音楽を聴く。

The Chainsmokers の曲は、歌唱曲と背景音楽の間のような曲だと思う。空気に溶け込んで、邪魔をしない。歌詞を口ずさめるのに、本筋は旋律にある。

旅の目的は遂げられて、幸せな思い出のひとつになった。そうして過去になったときに、その時に聴いた音楽が、その場所と気持ちを思い出す鍵になる。
このアルバムを聴く度に、地下鉄の狭い通路と、見渡す限り美しい街並みと、理解し得ない人々の談笑する声と、石畳を歩きながら突然襲ってくるタバコや下水の臭いを思い出すのだ。

旅先で音楽を聴くことはこれからも続けるだろう。今度行く先では、何を聴こうか、楽しみだ。

※ちなみに、帰りの飛行機に乗る前の出国検査がむちゃくちゃに混んでいて、あと2分でゲートが閉まると焦れながら職員に声をかけたら、離陸は何時?あと30分? You're okay, you have lots of time. と言われて、時間感覚の違いを改めて痛感した。無事に間に合った。

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