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自主トレが定着するにはどうしたらよい?~自主トレの考え方について~

はじめに
自主トレーニング(以下、自主トレ)は、スポーツ選手からダイエット目的の人、またリハビリを要している人など幅広い人が行っているものですが、このnoteで取り上げる内容は「リハビリを要している人」を主な対象としています。

Twitterで自主トレの話題を呟いているセラピストがおり、そのつぶやきを見て、自分が自主トレで意識していることをまとめておこうと思ったので、ここの残しておきます。

この内容は主に私見となりますが、自主トレを行うコツ、継続するコツを書いていきたいと思いますので、興味のある方はぜひお付き合い下さい。

▮自主トレはなかなか継続しない

「自主トレを行ってもらえない」というのをリハビリ界ではよく聞きます。
どうしたら自主トレを行ってもらえるかというのは、リハビリ界の昔からの課題となっています。

私の考えですが、そもそも自宅は休む場所だと思います。
推測ですが、原始時代は日中狩りに出かけて日が落ちると共に自宅に帰り、家族とご飯を食べて寝る、という生活だったと思われます。
よって、自宅では休むというのがDNAに埋め込まれている気がします。

よって、運動に関しては「外で行う」のが良いと考えています。
つまり、ジム、体操教室、デイサービスなどの外の場所で運動する方が、人間に元々の性質と合っていると考えています。

しかし、現実的に外出できない人もいます。
そのような人に対しては、自主トレが必要になることもあるので、その際には以下の点に注意すると良い思います。

▮自主トレを指導する際に注意していること

ここでは私が経験として、自主トレを指導した時にうまくいったパターンがいくつかありますので、その中でも共通しているものをいくつかご紹介します。

①まずは1つを継続できるようにする
どうしてもたくさんやりたくなってしまいますが、継続が大事なので、まず1つを継続することを目標にすると良いです。1つが定着してきたら、2つ、3つで増やしていくと良いです。

②座って行うものにする
自主トレは、立ってやるものや寝てやるものがありますが、個人的には座って行うものが一番継続する気がします。
恐らく、多くの方が座っている時間が長いのと、自主トレを行う場所がないという言い訳を作りにくいためです。

③生活の中に落とし込む
運動を特別なものにしないために、毎日行う生活動作とセットで行うと良いです。例えばですが、
・トイレで便座に座っている時に足首を10回動かす
・毎日、日めくりカレンダーをめくる
・食事時に麻痺側の手をテーブルの上に乗せる
などです。

これは人によって生活スタイルが異なるので、どのような動作を生活の中に落とし込めば良いかは、クライアントごとに考えていく必要があります。

④回数は人によっては指定した方が良い
回数がないとやらない人がいます。というか、やる気が起きない人がいあるので、そのような人には「○○運動は、毎朝10回、寝る前に10回」などと指定した方が良いです。

しかし、理解力が高い人には、「その日によって回数は変更していいですよ」と伝えてた方が良いと思います。なぜならば、体調不良の日に無理して行っても効果的でないですし、やらなかったときの罪悪感で落ち込む人がいるのでその辺の配慮です。

▮自主トレ個別性を考慮する

前述したように、自主トレを行っていないと罪悪感を感じる人がいます。それをきっかけにしっかりやろうと思う人は良いですが、本気で落ち込む人がいるので、その辺の個別性をしっかり考慮して指導した方が良いと考えています。

私の過去の話をすると、自主トレのメニューと回数をばっちり書いた運動プログラムを提供したところ、それがストレスになって調子が悪くなったという方がいました。
よって、あくまでも個別性を考慮するとのは大事だと思います。

▮どうせやらないから自主トレを指導しない、というパターンについて

実はこのような考え方のセラピストもいます。私はこの考え方は共感できます。なぜならば、基本的には自宅は休む場所だからです。

しかし、私は多くの場合、自主トレを指導します(勿論、前述したように個別性を重視した上で)。なぜならば、的確な自主トレを行えば、身体機能が良くなる人もたくさん見てきたからです。良くなる可能性があるならば、そこを目指したいという私のセラピストマインドが理由の一つです。やらなそう人でも、万が一やってくれたらラッキーくらいの気持ちで指導することもあります。

もう一つは、クレーム予防です。自主トレを指導していない場合、本人、もしくは同居人から「手を抜かれている」「治す気あるの?」という気持ちにさせる可能性があります。
これも私は過去に経験していることです。よって、本人の個別性だけでなく、家族の思いも考慮しておく必要があります。

▮おわりに

私は個人的には毎日行っている体操があります。割と生活に定着してきています。これは、ある程度効果が実感できているというもあります。よって、自主トレもできれば効果がるのが理想です。効果的な自主トレを指導するのもセラピストの腕だと考えています。

最後に繰り返しになりますが、個別性が一番大事です。
指導メニューの数、回数、運動の種類など全てクライアントによって異なります。運動であれば、自分が行ってみるのが大事だと思います。たまに、自分でやったことない運動を勧めて、「これキツイな!」と言っている人がいますが、それはなしにしましょう。


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