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多摩川サイクリングロード 勝手にガイドブック -関戸橋~羽田-

多摩川河口左岸の羽田はハネダ グローバル ウイングズ、右岸川崎市殿町はキング スカイフロントとか言って、それぞれ大規模開発が行われています。現在、それらを結ぶ橋が建設中で、橋が架かってから多摩川下流サイクリングロード・ガイドブックの完成版を出すことになるのですが、その前にお試し版を書くことにしました。
そういうことで関戸橋~羽田の左岸から右岸の一周70.9kmを走行時間合計5時間30分かけてチャリでまわってきました。走行時の平均速度12.9km/hと超低速のため5時間以上を要したのですが、健脚な若者ならば4時間ぐらいでまわれると思われます。
なお、多摩川サイクリングロード・ガイドブックは下流(関戸橋-羽田)、中流(大栗川合流-吉野街道・多摩川橋)、上中流(小作駅-奥多摩駅)、上流(柳沢峠-奥多摩駅)に分けてお届けします。

京王線中河原駅~二子玉川駅:京王線中河原駅-関戸橋(0.5km/0.5km)-是政橋(3.1km/3.6km)-多摩川原橋(4.1km/7.7km)-多摩水道橋(4.8km/12.6km)-二子玉川駅(5.8km/18.4km)

京王線中河原駅に降りると目の前は鎌倉街道。鎌倉街道はあちこちにあるのですが、この鎌倉街道は分倍河原の戦いで勝利した新田義貞が進軍した道として有名です。0.5kmで関戸橋で、多摩川左岸のサイクリングロードを左の河口方面へと進路をとると、たまさかの追い風に乗ってぐんぐんとスピードがあがる。ちなみにGPSの記録では行きは14.6km/hで、帰りにはあいにくの向かい風で11.5km/hでした。
いつもなら大勢の人がいる郷土の森公園のバベキュー場を右に見ながら左に曲がり、武蔵野南線(貨物線)、南武線をくぐると府中街道の是政橋。ほとんどがトンネルの武蔵野南線が、地上に出てくる珍しい場所でもあります。是政橋の近くには西武多摩川線の是政駅があって、中央線方面から多摩川への輪行に使える。稲城大橋、次いで鶴川街道の多摩川原橋をくぐると京王閣競輪場で、京王相模原線がわたる。川幅いっぱいに水を湛えるニヶ領用水の上河原堰堤を右に見て、多摩水道橋そして小田急線をくぐると、再びの川幅いっぱいの宿河原堰堤で、多摩川決壊の碑がありました。家が流される映像が記憶に残っており、1974年の出来事とか。ずいぶん長く生きてきたものだと思ってしまう。左手に砧浄水場があり、高円寺方面に直線に延びる荒玉水道道路が面白い。東名高速を抜けると運動場が広がり、新二子橋をくぐって武蔵国分寺方面を源流域とする野川をわたる。二子玉川駅の高架下にはジャイアントの自転車ショップで、ここまでが往路の約半分にあたる。

二子玉川駅~羽田の大鳥居:二子玉川駅-丸子橋(4.9km/23.3km)-ガス橋(2.7km/26.0km)-多摩川大橋/国道1号線・第二京浜(1.9km/27.9km)-六郷橋/国道15号線・第一京浜(2.9km/30.8km)-羽田の大鳥居(4.2km/35.0km)

お洒落なカフェが立ち並ぶ一画を過ぎると二子玉川公園。広くて気持ちの良い公園で、密にならないので家族連れが大勢くつろいでいました。第三京浜を過ぎると等々力渓谷からの川の合流点。最近では川崎フロンターレが強くなり、対岸の等々力競技場の方が名を轟かせています。右手河川敷の巨人軍多摩川グランド跡を見送ると、左手の森は前方後円墳の亀甲山古墳がある多摩川台公園で、東急線をくぐると丸子橋。
東急多摩川線の沼部駅前を、徳川家康が江戸に下るときに利用した旧中原街道が通っており、少し先の切通のさくら坂はその季節に行くとなかなかの風情を醸し出します。新幹線・横須賀線をくぐり、ガス橋を過ぎると多摩川大橋で、このあたりから川の中の中州がなくなり、川幅いっぱいの良い景色となります。右手の河川敷が広がり六郷運動場となり、京浜東北線・東海道線、ついで京急がわたると六郷橋で大師橋も近い。六郷橋は多摩川をわたる最も南の橋とか。海老取川をわたると旧穴守稲荷神社大鳥居で、建設中の新橋も見える。

大鳥居~二子新地駅:大鳥居-大師橋南詰(2.1km/37.1km)-六郷橋(3.4km/40.6km)-多摩川大橋(3.1km/43.7km)-ガス橋(2.0km/45.7km)-丸子橋(2.5km/48.3km)-二子新地駅(5.0km/53.3km)

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大師橋をわたり右岸に移る。川崎河港水門あたりから堤防沿いの道は整備中で、六郷橋をくぐり、多摩沿線道路まで、行き止まりがいくつかありました。川崎駅付近から多摩沿線道路に入ると、その先は是政橋までよく整備されたサイクリングロードで気持ちよく走れました。多摩沿線道路の堤防上の自転車道に入ると川崎競馬場練習馬場があり、多摩川大橋、ガス橋と続き丸子橋に着く。すぐに1936年開設の多摩川スピードウェイ跡があり、かつては3万人を収容し、若き日の本田宗一郎らを育てたとか。第三京浜の多摩川橋の巨大なアマゾンの倉庫を横目に、向かい風の中をひたすら進み二子新地駅前に着く。国木田独歩の”忘れえぬ人々”との小説があり、その冒頭に明治期のこのあたりが描写されています。

二子新地駅~関戸橋:二子新地駅-多摩水道橋(5.7km/58.9km)-多摩河原橋(4.9km/63.9km)-是政橋(3.6km/67.5km)-関戸橋(3.4km/70.9km)

二子新地駅から少し迷い、後で調べると二子新地駅の手前で河川敷に降りた方が良いことが判明しました。GPS軌跡はそのような細かいところまで描写するため、次は間違えないように描きたい。宿河原堰堤にはニヶ領用せせらぎ館がありトイレ休憩に使えます。駐車場があり、レンタサイクルもあります。夕闇が迫ってきたので多摩水道橋、多摩川原橋とそそくさと過ぎ、暗くなる前に是政橋に着き、一安心でした。是政橋から関戸橋の右岸は1.4kmの通過不能ヵ所があって、やむなく左岸にわたり、関戸橋に到着しました。今回、中河原駅を出たのは11:40で、関戸橋に着いたのが17:40。改訂版ではもう少し朝早く出発し、南多摩駅から川崎街道を登り、その頂上から関戸橋へ駆け降りることを計画しています。

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