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「いつか別れる。でもそれは今日ではない 」を読んで

読み始めて、鼻に付く文体だと思った。
少しして、著者の人は絶対村上春樹が好きだと思った。
私は村上春樹があまり得意じゃないので、読み飛ばしがちになった。
著者が男か女かわからなかった。
しばらく本を置いた。

なんとなくまた本を開いた。
とってもよいと思う文があった。
著者の高校の国語の先生が最後に言った言葉。
「私の授業も私のこともすべて忘れてくれて結構なのですが、君たちが死にたくなったら、とりあえず寝なさい。眠れなければ散歩して、夜明けを見に行きなさい」
ありがたい言葉だと思った。
昔失恋して、携帯を夜空に投げて壊して泣きながら寝て、それでも朝は来ちゃうから、仕方なしに仕事に出かけて、カンカン照りの朝陽を浴びた。
太陽は、朝は乱暴だなと思ったけど、
きっとそれで救われた。

読み終わり、本を閉じ、著者のことを想像した。

平成生まれらしい著者の、そのまだ抑えきれぬ発散物が眩しかった。
同時に少し嫉妬があったのだと思う。

今の時代に生まれて、生きているからこそ、わかることがあると思いたい。
思うことがあると思いたい。
普遍的なことはとうの昔に名だたる文豪たちが活字にしている。
さて、いま生きている。
わたしは、生きています。
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