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【猫小説】『メニー・クラシック・モーメンツ』第11章:邂逅 ①


「…、ここは、いったい…?」

 茫然ぼうぜんたる空間にたったひとり、仰向けになって俺は寝ていた。
 真っ白な霧のような膜に包まれ、暑くも寒くもなく、マリアナ海溝の底で揺蕩たゆたうプランクトンみたいに、心許こころもとなく、孤独に存在していた。
 手を伸ばせば、何もかも、つかめる。まぶたを閉じれば、眩しい光が射し込む。耳を塞げば、鏡のように心が開く。

 そんな宇宙の果てのようでもあった。

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