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「あのころの、音階に戻って」

初めて特定の歌うたいの人を好んで聴くようになったのは小学四、五年生の頃。「ゴダイゴ」が、その人たちだった。
きっかけは覚えていないけれど。大好きだった堺正章さんの「西遊記」にも曲が使われて(というかそのために作られた?)、子供ながら特に「ガンダーラ」などには心打たれて「この美しい曲は素晴らしいな」と、お姉さんのステレオを借りてレコードからテープを作っていつも聴いていた。

五十年近くの時が経ち、レコードはMP3になって携帯電話のサービスでガンダーラをダウンロードできるようになる日がまさか来るとは想像できなかった。あと五十年経って僕が百歳になった時、世界はどんなに変化しているか楽しみで仕方がない。一般的なユースではフィルムカメラがデジタルカメラに取って代わられたように、デジタルの次の概念が現れていてもおかしくない気がする。「まだデジタルカメラを使っているの?」って、いう会話も聴こえてきそうだ。そもそも、この世界が今の状態のまま残っている確証すら無いわけだから、マトリックス1のような仮想現実世界が生まれ、写真家は脳内情報からVR空間に接続をし、「あのころの懐かしい景色」の中で、何も変わらず好きな撮影を続けられているのかもしれない。
それはそれで幸せかもしれないのだけれど、やはり見る、聞く、感じる、五感を通して繋がる世界を無視しては人は生きられないのでは無いかと思う。

そんなことを、ガンダーラをリピートしながら思った朝。

今日も、価値のある素晴らしい1日にしていこう。誰がなんと言おうと、自分を信じて前に一歩踏み出す。それが自分の、生きる路。

(ジャケットはモンキーマジックのもの)

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