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春の宝石『桜鱒』

「サクラマス」とは、

いつもは河川にすんでいる「ヤマメ」のうち、生存競争のなかで比較的、餌が取れない弱い個体が海へ下って、大型化し再び遡上してくるもの。などといわれています。

「桜鱒」が今、旬を迎えています。

市場では、本当のマスという意味で「本ます」という呼ばれかたもします。
4月から6月頃の遡上を目前に控えたこの時季は、エネルギーをたっぷり蓄えた状態、つまり「あぶら」の乗った状態で沿岸の定置網などで漁獲され、市場に出回るのです。

お値段もまあまあします。

高級魚です。

そして、とても美味しいんです。
魚のなかでも、トップクラスの部類に入ると思います。背景的なものも含め、私は「桜鱒」が好きです。

切り身にしてしまうと、他のサケ・マス類と区別するのは、多少難しいのですが味は別格です。上身は勿論ですが、アラである頭なども、真っ二つにし、フライパンに少量の水とお塩を入れて、蒸し焼きにします。これをポン酢などでいただきます。これもまた格別に美味しいです。

こういった食べ方は、本当に美味しい魚でないと出来ません。

ちなみにスーパーなどでたまに見かける塩漬けのマス、つまり「塩ます」には「カラフトマス」、アラスカで「ピンクサーモン」と呼ばれるものを使います。「桜鱒」も使われますがお値段が全く違い、こちらは高級品扱いです。「カラフトマス」が主にプランクトンを餌にしているのに対し、「サクラマス」は、魚を多く補食しているといわれ、前者に比べて歯の鋭さも段違いです。

うっかり口に指を入れてしまって、ぷつぷつと歯型がついて出血なんてことも、昔はありました。
鋭い歯に象徴される餌の違いも味に違いをもたらす大きな理由のひとつだと思います。

「桜鱒」というだけあって、まさに春に美味しい魚。
その魚体はとても美しく、初荷には、はっとする感動を味わえます。そして、春が来たんだと思うのです。

見かけた際は、ぜひ一度、食べてみてはいかがでしょうか?今の季節、この「桜鱒」をはじめ、食材の持つ味や香りで春を感じるのもいいものです。

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