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1995年の押井守版攻殻機動隊のラストバトルが好きすぎるので駆け引きを解説したい



最近、押井守版の攻殻機動隊を見ていた。

それで、ラストバトルにとにかくメロメロになった。

これがとにかく流れが美しい。

でも、この流れの意味性とか、どういう駆け引きが行われているのかがわかんない人もいるんじゃないかな。と思って。それでラストバトルでどういう駆け引きが行われているのかについて書きたいと思います。

オススメとしては、この記事と並行で映像を見ること。Netflix版が画質が良いのでオススメです。


おおまかな流れがわからない人に教えると、すげー人形が欲しい感じで、車を追いかけたらステルス迷彩付きの戦車に追い詰められた。っていう状況です。


柱に閉じ込められて、もうヘリには戻れない。できる事と言えばバトーを待つこと。しかしバトーを待っていたら人形が取られてしまう。ので、素子はここでガチンコ対決を挑むことに。

持ってる装備はライフルとちょっとしたミニ手榴弾。以上。クソゲーでは?

ここからは映像の流れを逐一説明していきます。


まずは銃のメンテナンス。時間が無いので軽い調整で。

マガジンは見えるのは2個。でも通しで見てると3回リロードしてるっぽので恐らく所有数は3個?戦車相手にライフルのマガジン3個。クソゲーの極みである。

戦車のアングルがニクい。「いや、お前はいつでも出待ちで殺せるが?」という煽りの強いカメラアングル。攻撃性がにじみ出ている。

ミニ手榴弾は2個拝借。2個で良いのか。そもそも素子の狙いはこの時点で弾切れ狙いであり、射線のごまかしには2個で十分だと判断したと見える。装備ケースにはナイフも見えるが、ナイフが一体何の役に立つのか。哀愁を誘うナイフである。

手榴弾を使い水しぶきを発生させて射線塞ぎ。これが無かったら素子は蜂の巣でゲームオーバー。やっぱりクソゲーじゃん。

射線移動をした素子。射撃。これも結局は次の柱に移動するための隙間づくりのための射撃。


射線を作ってその間に移動するっていうシーンが僕はガンアクションでたまらなく好きで、映画ヒートでも射線作りが成立している間に移動するシーンだけ何回も見る。

素子。射線作りしたので移動。

ここで1回目のリロード。

リロードしてんじゃねえ!とキレた戦車側はロケット弾で素子を殺そうとする。なんとか素子は回避。


この後2階を探す戦車くんが普通にかわいい。しかし素子は実は1階に降りている。

この時射撃したライフル弾が右バルカンに命中!これはラッキー。クソゲーの状況下をなんとかごまかせた最高のラッキーパンチ。



柱に隠れた素子に対してガトリングで柱ごと削るストロングスタイルで殺そうとする戦車。立ち回りがいかつい。


2回目のリロード。もう1回打って3回目のリロードも入る。あまりにも連続して撃ちすぎたのでバレルがジュージューに焼けてるのでバレルを抜く。
多分ライフリング制御のバレルで、捨ててもギリギリ威嚇射撃程度には機能的に使えるんだと思う。もう銃がオシャカになっても良いのでバレル抜いちゃうか的な感じ。

この膠着状態のカット好きです。

右のバルカンは破壊成功。後は左バルカンの弾切れをなんとか狙う。

素子。避ける。

弾が無いのでもう銃とかいらんわ!と投げる素子。しかしこれも戦略の内。左に投げる事でガトリングの射線を左にそらして右に逃げる戦法。素子。お前の戦法ギリギリすぎるよ。


弾切れをお願いしながらバク転する素子。これで弾切れしなかったどうしようと思ってる可能性が結構あると思うとかわいい。

ホントだよ。想像以上に弾薬があったんだろうな。

素子、スーツを脱いで光学迷彩に。この時点で戦車が2階。1階は人間に探索を分担している。ので、戦車のアングルは2階視点。

1階をチェックしていた人間くんがミニ手榴弾でやられる。体の吹き飛び方がかわいそうなんだよな。


光学迷彩で突っ込むけど、サイドにあるバルカンに襲われる。装備がちゃんとしてるなぁ。この戦車。

そして光学迷彩でジャンプして、ハッチこじあげ特攻作戦。

最後はやられる寸前の所をバトーが巨大ライフルで倒して終了。

という感じで雑に書いたが、とにかく僕は押井守版攻殻機動隊のこのシーンがたまらなく好きである。

駆け引きの質がとにかく良い。ほぼ詰みの状況下での素子の圧倒的な頑張り。弾切れ後のハッチこじ開け狙いというあまりにも勝算の無いクソゲーを頑張る素子。そのガッツに僕は元気を貰えるのである。

ボーっと見ても楽しいけれど、こういう駆け引きの質が見えると、攻殻機動隊のラストバトルはもっと面白く見えると思う。

ので、攻殻機動隊を1回見たことがある人も、この記事を見ながらもう1回再見して欲しい。

凄く面白いので。

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