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例の「人形が動かない系ホラー」がどえらい事になって帰ってきた! 映画『ザ・ボーイ~残虐人形遊戯~』

2021年 明けましておめでとうございます🎍

一昨年noteで紹介したとあるホラー映画『ザ・ボーイ〜人形少年の館〜』(2016年)に、なんとなんと続編が出ていた!

前回「続編出るらしいよ〜」って語っていたけど、とっくに忘れてしまっていて。
近所のTSUTAYAで新作として並べてあった!!!!!!み、観るしか……と慌てて即借りしました。

※この記事を読む前にこちらも是非覗いてみてね。
良い意味で期待を裏切られる映画として、かなり衝撃的な作品でした(褒め言葉)

2021年初投稿になる今回も本作のストーリーと個人的な感想、見所などを容赦無く書いていくので……

_人人人人人人人人_
> ネタバレ注意 <
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ザ・ボーイ〜残虐人形遊戯〜(2020年 米)

あらすじ

ライザは夫のショーンと、一人息子のジュードと三人で暮らす一般的な家庭。
夫が不在のある日の夜、自宅に入った強盗に襲われたライザは怪我を負い、居合わせたジュードも事件のショックで話す事が出来なくなってしまった。

ライザも強盗に襲われた悪夢を見るほど心に傷を負っていたが、一家は都会から離れ田舎に引っ越す事にし心機一転を図った。
森の中に建つ戸建ての家。森を探索中にジュードは何者かに呼ばれる声がして土の中に埋もれていたアンティーク人形を見つけ出す。

その人形を見つけた事をきっかけにジュードは不可解な行動をとるようになり、ライザの精神はどんどん追い込まれていく。

監督:ウィリアム・ブレント・ベル
出演:ケイティ・ホームズ、オウェイン・イオマン、クリストファー・コンヴェリー


次の犠牲者は精神ズタボロ一家だ!

本作の始まりは一家の悲劇から。
ライザが自宅に帰るといたずら好きの息子、ジュードに驚かされるというごく一般的であろう家族の姿が。
一方、まだ帰らぬ夫のショーンは仕事で遅くなるよと二人に連絡をする。

ライザ「あなた遅くなるの今週で三回目よ」
ショーン「この埋め合わせは必ずするから」

と、ライザはちょっと困りながらも笑ってその日の夜は眠りについた……はずだった。

ふと目が覚めたライザ。物音に気付き「まーたジュードのいたずらかしら」とキッチンにやってくると物陰に隠れるジュードの姿が。
すると突然、見知らぬ男たち(強盗犯)に襲われるライザ。息子を守ろうと抵抗するが殴られて気を失ってしまう。「ママ!」と叫ぶジュード……。


そのショックで声が出せなくなったジュードはカウンセラーに通うように。
ライザも頻繁に強盗に襲われる悪夢を見ては苦しみ、かなりのトラウマを抱えてしまう。

筆談で会話をするジュード。そんな息子のために両親は「田舎に移って静かな場所で暫く暮らしてみよう」と決心する。

これが物語の序盤ですね〜。
この引越し先が、前作の舞台になったブラームスの館……の、離れの家なわけです。
移住した一家は引越し当日、家を囲む森の中を探索し今は誰も住んでいない荒れ果てた館を見つけます。


復活のブラームス、土の中からこんにちは

両親が大きな館に興味を示している中、ジュードは森から謎の声が聞こえてきてそれに導かれるように進んでいきます。

彼が見つけたのは土の中から不自然に伸びている人形の手。掘り起こしてみると土にまみれたブラームスの人形が!!!!

ちょっとお間抜けだけど見事に復活を果たしたようで。
人形を拾ったジュードは家に持ち帰り、人形を綺麗にするともう四六時中一緒。

だけどそんな人形を不気味に感じていたのはライザ。なーんか気味が悪いんだよね〜とショーンにも溢す。
そんな彼女の予感通り。
「人形の名前はブラームス」と語るジュード。人形がそう言ったんだ、と怪しい発言をする。

↑お揃いの格好してるジュードとブラームス。可愛い。

そんでもって人形を拾ってからジュードの様子は変だし、部屋に篭って一人で人形に話しかけているし(声が出た! と両親は最初は喜んでいたけど)自宅で怪奇現象は起こるし……。

怪奇現象をライザはジュードのいたずらだと思いこみ、彼を叱ります。だけどジュードは「僕じゃない。ブラームスが……」という反応。そんな人形に押し付けないで! とライザはどんどんヒステリックモードに。

んでもって、一家は近所に住んでいるというジョセフという見るからに怪しげなオヤジに絡まれる。彼はブラームスに大して意味ありげな言葉を残すなどして「このオヤジ、なんか知ってんな」というオーラを出しています。


続編で語られた人形の真実

ブラームスを拾ってから一家はドッタンバッタン大騒ぎな状態なんだけど、ライザが人形の型番を見つけてネットでググる。そこで衝撃の記事が次々とヒット。
またジュードはブラームスを連れて廃館に向かい、前作でブラームスが被っていたお面を付けて登場する等、不可解な行動に拍車がかかる。
そしてジョセフから語られた、館で起こった事件の概要とは……。


【前作の事件後の話】

ジョセフがライザに語った内容。(というか前作のあらすじを普通に説明してくれた)
それは以前館に住んでいた息子が、少女を殺してしまった後に火事で焼け死んだかと思ったら実は壁の中に何年も住んでいたという事。
その息子は最近、死者一名と負傷者二名を出す事件を起こしたがその後自殺してしまったという。

【人形は呪われていた】

かつてその館に住んだ家族の子どもに取り憑き、その子どもが殺人を犯すという事件が何年も続いていた。そんな子どもたちの側にあったのはあのアンティークの少年人形。
つまり前作の、胸毛の立派だったブラームスもその人形の呪いに取り憑かれたからこそのあの事件だったという事らしい。
ブラームス以前にも子どもが殺人を起こすという事件が続いていた……。

【さぁ今度はジュードお前だ】

人形を土に埋めたのはジョセフの仕業で、彼も人形の声が聞こえたからで命じられた通りに行動したとの事。つまりジュードに人形を拾わせるように仕向けたのはこのオヤジ。
んでもって前作、破壊された人形を直したのもこのオヤジらしい。お前だったのか〜〜ってなったよね。
そして「ジュードはブラームスとひとつになるんだ」的なチャイルド・プレイの展開を思い出させる発言をして、ライザは今度は自分の息子が狙われていると確信してジョセフを一発殴る。痛そうだった。

個人的に前作の胸毛ブラームスが自殺したってのを知って、「エッッッッッ?! この映画まさか」と勘付いてしまったのですが後で書きます。


前作のラストを越えるのか?!

さぁ物語は終盤へ。
ブラームスに導かれて廃館に訪れたジュード。お面を被って完全に取り憑かれてしまっている様子。
追いかけてきたライザが「人形も一緒に暮らそう」となだめますが、ジュードは彼女にショットガンの銃口を向けます。
そこでいつの間にか追いついていたショーンパパが隙を見て、人形をハンマーでぶち壊す!

頭部が陶器製(?)になっているため前作と同様、粉々になってしまうかと思えば気持ち悪い肉塊が剥き出しに。えっ、キモ……とドン引きするライザたちとそれをきっかけに我に返ったジュード。

そしてついには炎が燃え上がっている暖炉? 焼却炉? のようなものの中に、ブラームスの人形をジュードが投げ入れてしまう。
燃える人形。一家はこれで全て終わったのだと確信したのか、炎を見つめているのでした。

って、終わると思うじゃん?

その後……一家は都会の自宅に戻り、ジュードもすっかり元気そうで一家団欒ハッピーエンド。なーんて思っていた。

夜。ベッドで横になり眠っている……かと思っていたジュードは起き上がりクローゼットをごそごそ。何かを取り出したかと思えば鏡の前であの、ブラームスのお面を被ったじゃありませんか。
ジュードはブラームスに「これで大丈夫」なんて語りかけ、実はまだブラームスは完全には消えていなかった! というオチを残してエンディング。

本作の特徴

さて。ちなみに前作の『ザ・ボーイ〜人形少年の館〜』の予告編がこちらです。
この作品が面白かったのはやっぱり、呪われた人形が悪さしていたかと思ったら実は生きている人間の仕業だった! っていう、ラストのドンデン返しがあったから。
この設定よく考えたな〜って感激した。
すっかり「人形」に騙されてた。終盤、壁の中から大人ブラームスが出てきた時はめちゃくちゃ鳥肌たった。エモかった。

そんな前作があったので、この続編もまた胸毛ブラームスが出てくる?! 新たなドンデン返し?! どんなトリックが?! とめちゃくちゃ期待してしまっていたけど……

いや、普通に呪われた人形設定かーい

というのが一番の感想かもしれない。
結局は「曰く付きの人形」が元凶でアレコレ事件が続いていたんだぜ、って感じで前作と変わってありがちな人形モノホラー作品と化していた。

なんか前作のあの一件があったからこその今作に繋がるのだと思っていたので、少し拍子抜け。前作を越えられなかった……(私的に)

ちなみに今作はビックリ演出が結構多いなって感じでした。大きな音でワッ! ときたり、ドンッ! と怖い物が出てきたり。前回に比べて驚かせにくる演出が多く感じたので苦手な人はお気をつけて。

あとやっぱり、今回は人形自体が悪さしていたっていう設定なので……。
チャイルド・プレイやトイストーリーみたいな、人形が元気に動き回るのがといえばそうではなく。

でも前作に比べたら、ブラームスの人形の首や目玉が勝手に動く描写がハッキリと映っていたので「あぁ完全にこっち系(人形が原因)の設定ね」というのが分かります。
そういうシーンが前作では無かったのも、あのラストへの伏線というか視聴者へのミスリードだったのかもしれないね。やっぱり凄い。

でも嬉しい見所もあった。
ジュードがお面被ってライザの前に現れるシーン。登場の仕方が完全に前作の、壁の中から出てくるブラームスを彷彿させていて結構興奮して観てしまいました。

手の平をゆっくり壁につけるあの動作。ブラームスご本人来たか?! とめちゃくちゃ期待したけど出てきたのはお面被ったジュード。

私はそれでもあの立派な胸毛を持つ大人ブラームスが出てくる事を信じていたけれど、数分後のジョセフの「彼は自殺した」という言葉を聞いて普通にショックを受けたのでした。


期待していいんですかね

やっぱり前作は越えられなかったよ。
邦題のサブタイトル『残虐人形遊戯』ってのがちょっとダサい気がする(『漆黒の天使』と書いてダークエンジェルって読みそうな、何かこう厨二的なやつ)んですけど良いでしょう。

何だかんだ言って私は今作も面白かったな〜って思えた。
ちょっと盛り上がりが少なくて、物足りなさを感じたけれども!

でも何と言っても! ジュード役のクリストファー・コンヴェリー君がめちゃくちゃ良い。
ブラームスとお揃いにしてるのがツボでした。髪型可愛い。

今後も他作品で見かけたい。

今作もまーた怪しげなラストを残して終わったザ・ボーイの第二作目。
これってまた続いたりする? チャイルド・プレイシリーズみたいになる? それはそれで楽しみかもしれない。
チャッキーやアナベルに続く、人形ホラーのニューフェイス! なんて謳われてたくらいだし、個人的にアリ寄りのアリである。

続くようならまた期待していいんですよね、監督……

いいんですよね? 監督。

過激なお色気シーンもエグいグロ表現も無いので、安心して観られる本作シリーズを是非お楽しみください。

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