寄せられた意見への私見-②

『残って欲しくない人が残って、残ってほしい人が退職する現状について』
 
この意見(質問)は3つの側面から考える必要があるでしょう。
①  会社側
まず会社側ですが、会社としてはその人物の経験・人脈・スキルを活かしたいのは当然のことです。それなりの処遇をするわけですからその事への見返りは求めるでしょう。
従って、できるだけそれらの貢献をしてもらえる業務での再雇用が中心となります。
ただしそのことが返って本人の自覚と覚悟を遅らせる事にもつながるようです。
今までとそれほど変わらない仕事にも拘らず、
管理されることが増え報告事項が増えることが多いからです。

②  雇用更新(延長)する側
今まで述べてきたようにある日を限りに突然無用・無能宣告されたような感覚です。
その状況を理解し呑み込むまでには時間と準備が必要です。
特に契約変更直後は戸惑いと虚しさ、時には怒りなども渦巻いているようです。
従って、出社後も何かとトラブルを起こしがちです。
今まで尊敬される上司だった人が豹変することも珍しくはないようです。

③  関係者(上司・部下)
上司になる人物は既に既知の関係者になることが殆どのようです。
前述の会社側の論理からいうと当然の帰結です。
従って、元部下が上司になるという状況が非常に多いと聞きます。
両者ともに「元部下」という立場から、
なかなか抜け出せず時には衝突したりすることも多いと聞きました。
要は両者ともにこの関係になれていないからでしょう。
これも準備と覚悟が必要なようです。
 
さて、これらのことを念頭に先ほどの疑問を考えてみたいと思います。
このような声はよく聞きます。

しかし、「残って欲しい人」とはどんな人でしょうか?

何を根拠に「残るべきか残らざるべきか」を判断しているのでしょうか。
多分に気分(感情)に左右されることが多いようです。
前述のような諸状況を勘案したうえで自分なりの判断基準を明確に持つべきでしょう。
該当者に何を望むのか、どのような行動を期待するのかを明確に認識したうえで
「望ましくない言動」が見られれば、
その事を該当者としっかりと話し合うことが何よりも求められると思います。
 海雲 龍人

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