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自分らしく、酪農と向き合う

「企画書を見た瞬間、取材を受けようと決めました。」
そういってインタビューに応じてくれた、酪農家の樋口聖哉さん。

「湧別は地形と人口分布の複雑さが面白いですよね。」
湧別町芭露(ばろう)で生まれ育ち、帯広畜産大学で農業経済を学び、樋口牧場の3代目として湧別に戻ってきた聖哉さんは、学んだことを今の仕事にも活かそうと日々考えている。

これからの日本の酪農は、乳牛を長く健康に飼う“長命連産性”が重要だといわれているそうだ。
日本人ならではの繊細さ丁寧さを活かし、飼料代や病気の治療に関する費用を抑えられる方法で、樋口さんは長命連産性が本当に日本の酪農にとって良いものなのか樋口さん自身で試しているという。

酪農家として経営のことを考えつつも、牛1頭1頭を大事に想っていることがお話を聞いている時から伝わってきた。

「この子がうちの牧場で最年長のシロです」

「酪農家としての目指すところは“あなたの牛乳が飲みたい”と言われることです。持続的に、品質の良い牛乳をつくり続けることにこだわりを持っています。」

品質の良い牛乳をつくるには、牛が食べるエサも重要となってくる。

「45ヘクタール(東京ドーム9.6個分)の牧草地の管理をしていて、より良い牧草を刈るために区画ごとに少しずつ工夫しながら日々模索しています。シーズン中に悪天候が続いても、例年と同じくらいの量が刈れた時は嬉しいですね。」

生き物を飼い、育てるというだけでも大変だと思うが、エサづくりについて教えてくれる樋口さんの目は輝いていた。

お仕事で一番大変なことはなんだろうか・・・?

「トラクターに乗るのがあまり好きじゃないので、夏場(エサの収穫時期まで)は疲れますね。トラクター操縦って意外と神経使うんですよ。」

今後の樋口牧場はどうなっていきますか・・・?

「経験や勘だけに頼らずAI機器などを活用して機器にできることは任せ、人は人にしかできないことをして手間を省くことで収益性を高めたいです。

また、自分の仕事を通して社会への貢献を意識して、消費者や社会に望まれる生産物の提供、生産のあり方を追求していきたいですね。

それから、自分の仕事と消費者・社会とのつながりを深めて、思いやメッセージを発信したり受け止めたりという双方向型のやりとりを円滑にするために、思いやこだわりを表すコピーづくり、SNSの活用、ロゴのデザインなどにも力を入れていきたいです。

この3 つのポイント “スマート性” “社会性” “デザイン性” を意識して経営したいと思っています。」

お手伝い(?)をする はるちゃんとなおくん

撮影時、保育園から帰ってきたお子さんたちもおもちゃのスコップを持って牛舎内を駆け回る姿が印象的だった。


お腹にいる弟を優しく触るなおくんと笑顔が愛くるしいはるちゃん


取材時には臨月を迎えていた奥様は無事に出産して今は5人家族になっているという。
より賑やかになった樋口一家のこれからがとても楽しみだ。

樋口牧場の文字を掲げた青いサイロの前で。笑顔の絶えないご家族です。

樋口さんのインスタグラムもチェックしてみてくださいね✨↓
https://www.instagram.com/higuchi_seiya/

マガジン”湧”取材チーム
湧別町地域おこし協力隊 さき


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