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「行政書士試験」のメッセージを考えてみる。法律初学者が独学で行政書士試験合格は不可能?

完全独学で3年目の合格。Fラン大学経営学部卒の私に行政書士試験は、ヤハリ難しかった。

 私は、今でいう、いわゆる「Fラン大学」の経営学部卒業である。そして、学生時代に「法律を正しく学ぶ」ことを、一度も行ってこなかった人間だ。

 ただ、「条文」というものと全く無縁だったわけではない。
 私は「元」通関士として従事していたことから、通関士試験を受験するにあたり「通関業法、関税法、関税定率法」等を勉強した経緯がある。

それでも、

 行政書士試験は難しかった。

 両者とも、合格率10%台の国家試験であるが、求められているものが、全然違うと感じた。

 行政書士試験には、「メッセージ」が込められている。私は、そこに気づくのに「3年」かかったという話をしたい。

 もちろん、私は「法律家を気取って」話を進めることが出来るような人間ではない。
 あくまで、経験に基づく「感想」と思っていただきたい。

法律初学者に立ちはだかる大きな「壁」。言葉だけ覚えようとしてませんか?


 私のように「過去に法律を正しく学んだことがない人」が行政書士試験を受けようと志した時、きっとテキストや過去問集に登場する「言葉」を必死に覚えようとすると思う。

 民法で例えるなら「債権者代位権」であったり、「譲渡担保」であったり、知らない言葉が次から次へと出現してくるため、それを覚えるだけでも大変な作業である。

 ただ「言葉の意味を知っている」だけでは、合格ラインに到達できないのが、この試験の怖さであると思っている。

少し、例を挙げてみたい。

 行政書士試験勉強をされている方であれば、必ず、一度は耳にする

「抵当権に基づく妨害排除請求権」

という言葉がテキストで登場した時、

法律学習の基礎が整っている人であれば、
 「どういう事実が発生すれば、この抵当権に基づく妨害排除請求権を行使をする場面となるのか」

を立体的に考えることであろう。

さらに言えば

 そもそも、「抵当権が発生している状況」であるならば、登場人物の中で「困っている人物が誰」で、「保護したい権利は何か」まで、容易に想像できていると思う。

 つまり、法律の知識を使って「解決すべき問題」があり、そこに対するアプローチする方法を少なからず学んでいるということだ。

 「法律初学者」は、この核心部分となる「考え方」が出来るまで、時間を要することになる。だから、結果として「単純暗記」となってしまうことは仕方のないことだと思う。

 私もそうであったが、やみくもに受験勉強を継続していく中で、ある日「そういうことか!!」と、気づいて行く。きっと、そういう人が多数派であると思っている。

ネットで見かける「完全独学!たった6ヶ月の勉強で、合格しました。」という話もウソではない。


「行政書士試験は、少し勉強すれば、誰でも受かる簡単な試験」
 
 世の中には、物事の本質に「いち早く」気づき、正しく努力できる人が、必ず存在する。

 ただ、「あなた」が該当するかどうかは、あなた自身が、一番理解しているはずだ。

 「簡単な試験」という、ネットの情報を鵜呑みにして、書店で購入したテキストをサラサラっと読み、過去問を繰り返すだけの試験対策では「合格まで、あと一歩及ばない人」止まりになってしまう可能性は十分にある。

 だから、自己分析を冷静に行って欲しい。

 一番残念なのは「甘い見込みによって、途中で挫折し、投げ出してしまう」ことであると思う。

 自称「ど凡人」の私は「3年」かかったが、完全独学で合格にたどりつくことが出来た。ゴールが確実に存在することが証明されている。これは、独学を志す皆様にとっては「励み」になると思う。

行政書士試験は、後から考えても「よく出来た」試験。

 私は「凡人」であったため、「3年」という時間を要してしまったのだが、無駄な時間であったとは思っていない。

 受験に失敗し、自分なりの試行錯誤をくりかえした「行政書士試験」において、

「それで、あなたはその知識を使って、何が出来るの?誰が困っていて、何の権利を守りたいの?」

を中心とした「考えるトレーニング」を積んできた3年間でもあったということだ。

 そして、このことが「行政書士試験のメッセージ」だと思っている。

 「一筋縄ではいかない試験構成」となっているのは、その人なりに失敗し、問題点を考え、答えを見つけていかないと合格にたどり着けない試験ということなのだ。
 そして、その答えにたどりついた者から順番に「合格」に導かれていく。

 つまり、短期で合格が可能な人は、この「考える」サイクルが早い人ということであり、人によっては、「1年、2年と時間がかかること」も当然にあり得ることなのだ。

 もし、独学で勉強方法に不安を感じた時は、この「行政書士試験のメッセージ」を一度、自分なりに考えて欲しいと思う。

「気づいたら、言葉のみを覚えようとしてませんか?」

 あなたが、その本質に気づいた時、合格は目前となっていると思う。

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