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螺旋階段のように

こんにちは。今、メキシコのグアダラハラは夜7時です。

1週間くらい間が空いてしまった。久しぶりの投稿だ。先週は、家に帰ってnoteを書こうと思ったら電気がなかったり、勤めている学校のクラスでテストがあったりして、なかなか思うようにnoteが進められなかった。

今日からまた心機一転。自分の思っていることを書いていこうと思う。


最近出会ったある日本人の男の子との会話からあることを考えてしまった。

先月の終わりくらいにいきなりその男の子は僕のWhatsAppにメッセージをしてきた。元々、去年の年末に僕が行っている会話セッションにお手伝いとして何度か参加してもらっていたので、その時から知っているのだが、グアダラハラで生活をしてみたいということで去年の12月からその男の子はここに来ている。

今、グアダラハラに住んでいるというわけだ。

名前はY君としておこう。

Y君は23歳。先月の終わりに僕にメッセージをしてきた時は、ちょっと一緒にご飯でもどうですかということだった。知らない仲でもなかったので、2つ返事でokし、後日食事をすることになった。

その時から今日まで結構頻繁に連絡が来たり、会う仲になった。昨日の夜も家に泊まっていた。

どうやら自分の人生に迷っていて、何がしたいのかよく分からないそうだ。自分もY君と同い年くらいのころ、そうだった。

そんなY君に僕は、

「でもさ、自分が何がやりたいか分からなくて迷えるっていうのはとても贅沢なことだと思うよ。世の中にはもう生まれた時から自分の未来が決まって人だっているからね。」

と言った。するとY君は、

「そうですよね。僕もメキシコ来て驚いたのが、道路で何かパフォーマンスしたり、物売ったりしている子どもたちがたくさんいるじゃないですか。ああいう時に、かいとさんはお金をあげて助けたりしますか?」

と聞いてきた。

「僕はあげたこともあるけど、やっぱりそれは根本的な解決にならないんじゃないのかなと思う。今日食べるパンのお金は買えても明日も同じことができるかって言うと、それはできないからね。本当はそうしてあげたいと思うこともあるんだけど…..」

そんなことを話していて、ふと思ったことがある。

人が普段行動している可動範囲というのは、とても限られた狭い世界だ。

朝起きて、仕事へ行って、帰りにどこかでお酒を飲んで、家に帰る。ほとんどの人が決まったルーティンを過ごしている。そうすると、当然そのルーティンの中で出会う人というのも限られてくる。

家族、恋人、仕事の上司や同僚、友人などなど。

そう。そして、我々は一つのの中で生活していると考えよう。形やサイズが多少違ったりするが、どんな人も円の中で暮らしている。

基本的に一人の人間が他の誰かに与える影響はその円の中だけになる。

しかし、その影響を受けた他の誰かも自分の円を持っている。与えられた人とは形やサイズが違う円だ。そして、その影響を与えた人がまた違う誰かに影響を与えれば、その影響はまたその違う誰かが持つ円へと広がっていく。

そうして、どんどんとその影響は広がっていき、螺旋階段のように延々と続いていくのである。

もしかしたら、自分が普段出会う誰かに与えた影響が回りまわってその路上で物を売っているこどもたちに届いているのかもしれないと思った。

少し抽象的な話になってしまったが、みなさんも頷ける部分があるのではないだろうか?

例えば、口が堅いと思っていた友達に自分の秘密を打ち明けたら、それが知らないところで回って、バレてしまったとか。

YouTubeを始めて、ネットの世界で有名になって町を歩いたら、声をかけられるようになったとか。

直接的にメキシコに住んでいる路上で物を売っているこどもに僕が何かをしたわけではないが、自分が不意に放ったバイブスが回りまわってこどもに届いていると思うことも無理な話ではないと思う。

そんなことを思い出して、僕はY君にこう返した。

「僕は自分が今直接関わっている人や接点がある人、まずその人たちを与えるバイブスで幸せにしたり、楽しい気持ちにさせられないのに、そんな路上で物を売っているこどもたちを幸せにすることなんてできないと思う。僕の場合でいけば、日本語教師という仕事を通して、クラスを受けてくれた学生が日本語って楽しいなとかやっぱり日本っておもしろい国だなと思ってもらえないのに、そんなことは考えられない。だからやっぱりお金をあげることはこれからもしないと思う。」

自分の円、僕が直接関わっている人の円、僕が直接関わっている人が直接関わっている人の円。

自分の円が持つバイブスが与える影響は小さいかもしれないが、その先に全然自分が知らない人の円までもしかしたら届いているのかもしれない。

そう考えたら、できるだけいいバイブスを送ろうと思った。



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