結婚したときの話

彼女と結婚するよと親に報告したときのこと。私は親に怒られた。

親には「付き合っている人がいる」とだけ報告しており、彼女を紹介したことはなかった。結婚の相談もしていない。

親からすると、ある日突然、会ったこともない人と息子が結婚することが決まったのだ。そりゃ怒るよね。「結婚というのはね、家と家の結びつきなんだから、事前に相談なしに結婚するなんて、どういうこと!?」と怒られたのだ。ごめんなさい。


でもさ、私たちの世代だと「結婚」って、「家と家」じゃなくて「個人と個人」なんだよね。

私は妻と2人暮らし、親はずっと離れたところに住んでいる。親同士も、直接会うことはほとんどない。そうなると、やっぱり結婚って「家と家」じゃなくて「個人と個人」ってイメージのほうが実態に近い。


一方、親の世代はやっぱり「家と家」って考えている人の方が、圧倒的多数なんだろう。

私の母は、結婚したあとに父の実家で、義理の両親と一緒に暮らしていた。こういうふうに、親の世代だと家族みんなが1つの家で暮らしていることのほうが普通だった。だから、感覚としては「家と家」なんだろう。


・・・なんてことを、今日ふと、会社帰りに歩きながら思い返していた。

今は「核家族化がすすむ社会」だっていわれている。「核家族化」なんて簡単にいうけど、実はとっても大きな変化なんだ。

私たちの世代は、核家族化がすすんで、家族のあり方が大きく変わっていった。人類のながーい歴史をたどると、夫婦2人だけで暮らす人がここまで増えるのは普通じゃない。親といっしょに暮らす時代のほうが長かったのだ。死ぬほど手がかかる子育てを、夫婦2人で乗り切らなければならない。

それは両親だって同じ。年老いても、子供のサポートなく2人きりだけで過ごさざるを得ない時代に突入した、ということ。セイフティネットに頼らず、年老いる2人で、なんとか生き延びなければならないということ。老老介護は避けられない。

これが、「核家族化がすすむ」ということなのだ。

・・・なんだか大変な世の中になったなぁ。

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