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ラヂオの時間

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【本編の前に】
最初に断っておきたいのですが、2024年1発目のエッセイにしては新年感がまるでありません。それもそのはず、例に漏れずこれも予約投稿している関係で執筆時期は去年のクリスマスどころか11月中旬だからです。
 
それと、本記事のタイトルは三谷幸喜氏の映画名とまったく同じものですが、本記事名をちょっと古風でおしゃれな雰囲気にしたかっただけで他意はありません。ご承知おきください。
(タイトルをラヂオ表記にしてしまったがために本文の推敲時に「おっと、全部“ラジオ”を“ラヂオ”に直さなきゃ!」と本来であればする必要のない焦りを感じたのは内緒です)
 
あっ。遅ればせながら、あけましておめでとうございます。今年もひとつよろしくお願いします。では本編どうぞ!
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ラヂオを聴きながら家事をする時間が、たまらなく愛おしい。
一人暮らしをしている関係上、家事をサボってしまうと部屋の中が大変なことになるので仕方なく毎日何かしらしているわけだが、僕の場合そのお供には必ずラヂオがある。
 
数々あるその魅力の一つに、耳だけ貸しさえすれば楽しめてしまうというものがある。
それは、例えば単純作業であったり、散歩やジョギングであったり、もしあなたが聖徳太子のような能力をお持ちならば左耳でラヂオを聴きながら右耳で誰かと通話することだってできる。なんて便利なエンターテインメントなのだろう。
 
本を読む際にも同様のことがいえるのだが、何かしらのエンターテインメントを楽しむには基本的には静止してそれに神経を集中する必要があるけれど、ラヂオにはそれがあまりない。軽い表現をするならば、片手間で楽しむことができる。その、気楽で身軽でラフなラヂオのスタイルが僕には性に合っているようだ。
 
それに、有名人とはいえ会ったこともなく自らとはなんら関係性のない人物の話を聴くことが、どんなに面白いバラエティー番組や映画、ドラマよりも身近な存在になるとは思っていなかったのも事実である。

僕がラヂオを通してより好きになった星野源やオードリー、仲野太賀といった人たちの音楽や漫才、演技等々の彼らの作品からでは得られることのできない人となりをラヂオから知ることができたし、これは誰かがすでに言っていたような気もするが、テレビやYouTubeといったメディアよりも閉ざされたラヂオの世界だからこそ、より深い場所で彼らのファンになることができたのだと思う。
 
日に日に忙しなくなる世間とは裏腹に、じっくりと1時間も2時間も誰かの話に耳を傾ける。それは人知れず見つけた路地裏の喫茶店に入り、薄くかかったジャズを楽しみながら上質なコーヒーを嗜むような、そんな小さな幸せにも似た気分になる。
本当は東京の端っこに建つマンションの一室でラヂオを聴きながらたまりにたまった家事に追われる名もなき男の、取るに足らないありふれた話ではあるけれど、「そんな気持ちになってもいいじゃない!」と心のうちでは密かに思っているわけだ。

 
ちなみに通勤時やお出かけする際のお供は決まって音楽です。
理由は単純に、お外だと街に溢れる看板や、車・バイクの環境音などの情報過多な状況によりラヂオに集中できないからです。僕は絶対に聖徳太子にはなれません。笑
それと、ラヂオでおもろい話をされた時に思わず出るクスッとしたはにかみを見ず知らずの人に見られたくないからです。この恥ずかしがり屋さん(⸝⸝⸝´꒳`⸝⸝⸝)
 
ここ数年どっぷりハマってきたラヂオが話題なことだけあってこれまで滔滔と語ることができたが、本エッセイには芸人ラヂオのような笑える話もなく、あえなくこのまま終わりそうだ。
まあ、そんな時があってもいいじゃない!
……すみません。次回から気合い入れてエッセイ書きますね。

 
そうそう、最後に。ここは自らが運営するnoteの空間だから書いておきたいことなのだが、実は人生で一度でいいからラヂオ放送に出演してみたいと思っていたりする。
喋りが絶望的に下手で声もよくないことは重々承知しているが、それでもあの見慣れた放送ブースに行ってラヂオを愛してやまないスタッフさんたちと息を合わせながら顔の見えないリスナーたちに自分の言葉で語りかけてみたいのだ。
 
こんなこと、絶対にラヂオを聴く習慣がなければ思ってもいなかっただろう。
海人のラヂオの時間。もしそんな夢物語が実現したら、おもろい話をたくさんしてみたいと目論んでいる。

あっ。でも、その前に番組に呼ばれるほどの有名人にならなきゃ……笑。しばらくは現状維持、名もなきリスナーの一人として家事に勤しむことになりそうだ。

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