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1 もう少しで、日付が変わる。昼間は混雑している高架下の国道も、この時間になると車が少なく、たまにすれ違うヘッドライトがやけに眩しく感じられる。 助手席に座り外を眺めていると、小走りで横断歩道を渡るスーツの男と、手をつないで歩くカップルが見えた。これからどこへ帰るのか、これからどこへ向かうのか。 「なに考えてるの」 ふいに、ハンドルを握る高瀬(たかせ)が声をかけてきた。上矢(かみや)は視線を外に向けたまま、小さく「なにも」とだけ答える。 信号が青に変わり、二人を乗せた車