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ジミ・ヘンドリックス〜ロックギター進化論

ビートルズとともにかっての自分は間違いなくアンチ・ジミヘンだった。
大音量で割れんばかりのギター音に大袈裟なアクションはひびかなかった。、
リアルタイムで聴いてないのもあるが、何か違和感を感じていた。
それが解消されたのは90年代くらいだろうか。
リマスターされたCDを聴き段々とジミにはまっていた。

よく考えれば、ジミがデビューした1967年ごろはまだモノラル録音で迫力が欠けてて、アンプやエフェクターの機材が格段と進歩したのに録音技術が追いついてなかったのだろう。

あとジミの遺族らが音源を管理することになってから、ジミのエンジニアだったエディークレイマーが手掛けたことで音質自体がグレードアップした。

取っ掛かりはジミの最高傑作といわれる「エレクトリック・レディーランド」。
彼の残したオリジナルアルバムは3枚だが、その最後の作品である。
この作品にはロック、ソウル、ブルース、ジャズのエッセンスが全部詰まっている。
とりわけ以前にも書いたが、ボブディランのカバー、見張り塔からずっとはジミ以降は彼のバージョンが元になってることが多い。

○見張り塔からずっと〜エレクトリック・レディランド

ワウワウ、スライド、ボリューム、エコー、まさにロックギターのテクニック総動員である。
オリジナルを超えたドラマティックなサウンドは圧巻である。

ジミの死後乱発した粗悪な編集盤は遺族が管理するにようになってから、だいぶんましになった。
マスタリングの恩恵様様である。

○フォクシーレディー〜
マウイ島ライブ

これは最近発表されたマウイ島でのライブだが、ウッドストックやモンタレーのライブより遥かにいい音がでてる。
テープ復元は前述のエディークレイマーが行なっているが、私的にはジミのライブで最高の音質ではないだろうか

余談であるが近年ポール・マッカートニーはこの曲をライブでよくとっている。
ジミは親交のあったマイルスデイビスとベースにポール、ドラムにトニーウィリアムスを迎えたスーパーバンドを計画していたが、残念ながら立ち消えになってしまった。

続いて色々私的にお気に入りの楽曲を並べてみる。

○リトルウィング〜アクシス・ポールド・アズ・ラブ

短めのブルースバラード。
単なるブルースにならないところはジミのもう一つのネイティブアメリカンの血だろうか?


○パープルヘイズ
ジミ以降革命的なロックギターのテクニックはエドワード・ヴァン・ヘイレンの得意技、タッピングだろうが、ジミもピックでそれらしきことをやっている。
フランクザッパもやっていた同じテクニックだ。


○ヒア・イズ・マイトレイン

エレクトリックギターばかり注目がいくがルーツであるブルースはこの通りアコギでの弾き語りもこなしている。

死後50年以上を越えてもいまだロックギタリストの番付で不動の一位を譲らない。
ジミが1970年に亡くならずに生きていたらどうなっていたか?
それは正直わからない。

60年代神といわれたエリッククラプトンはジミとライバルであり友人であった。
しかしジミの死はエリックに衝撃を与え、ギタリストから総合的なミュージシャンへと変わっていた。

ところで今世紀に入り、ロックギターとしての需要は一段と減っている。 
しかしジミが生前に残した音源は無数にあり、今も再現されている。

先程述べた私が昔感じた違和感はジミ・ヘンドリックスはやはり当時からぶっ飛んだギタリストで早すぎた存在だったということだ。
ひょっとして100年経ったとしても不動の一位は確実なのかもしれない。









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