連載 タイムラブ 愛に時間を 〜青い光②
資料室へ夕子と涼は移動した。
「真木村さん、色々ありがとうございます。
香月所長にも感謝です。」
台場涼は頭を下げた。
「どう記憶の方は?戻らない?」
「ええ‥とにかく悪夢を見ていてようやく目覚めた感でしかありません。」
‥ジャックスミスは徹底的にマインドコントロールをやったのに違いない。‥
夕子はコーヒーを出した。
資料を調べなければならないのだが、その前に涼を落ち着かせる必要があった。
記憶を消去され、それを取り戻すのは容易ではなかった。
しかも記憶を取り戻したときに自分も涼もお互いが受けるショックに耐えられるかの自信もなかったのだ。
「うわあー美味しい。真木村さんの立てたコーヒーは最高だね。」
涼はまるで子供のようにはしゃいだ。
「ありがとう。」
夕子は少し微笑んだ。
‥あなたはコーヒー好きだったもんね。全然変わらないね。
「あっ、そうそう香月所長から聞きましたよ。真木村さんと同級生だったんですね。
今も仲が良い友人なんですね。」
「でも向こうは若くして時空光学の権威で私は一捜査官、全然レベルが違うわ。」
‥元々絵里はIQが高く能力もずば抜けていた。
ビッグウォールの大事変が彼女を覚醒させたのだ。
私はどうだろう‥ずっとあのとき以来あなたを引きずっている‥
「真木村さん、どうしたんですか?」
「あっ,ごめん。ちょっと考え事をしていたわ。じゃあ資料を準備しましょうか。」
夕子は我に返った。
BGM
あべ静江〜コーヒーショップで
当時21歳、清楚な大人っぽいキャラ、昭和の美女でした。
最近脳梗塞で倒れたそうですが大丈夫でしょうかね?
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?