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泣く

私は映画やアニメを見て、結構泣く方です。
ここ数年は娘といっしょに鑑賞しながら、2人してボロボロです。

さて、最近TV放映で録画しておいた
『そして、バトンは渡された』を観ました。
最初は自分一人でおもしろく拝見し、
最後に「おぉ~」っと感動したものの、泣くには至りませんでした。

ところが、妻と一緒に視聴した2度目(妻は初見)は、ボロ泣きでした。
たぶん、種明かしの内容を知っていたから。

登場人物の気持ちを最後に知る1回目は「そうだったのか」で終わり、
2回目は知った上で一つひとつの言動を振り返るように観る。
すると、その人の気持ちの機微が手に取るように感じられ、
「がまんしているんだ」「素直なんだ」「思いやりの言動だったんだ」と
その優しさと愛の大きさを感じることができて……。
で、ボロ泣き。

思い起こせば、泣いた映画はいっぱいあります。
古くて有名どころだと『幸せの黄色いハンカチ』ですが、
私としては『遥かなる山の呼び声』のハナ肇さんに泣かされました。
ほかにも『刑事物語 りんごの詩』も泣きましたねぇ。

アニメなら子ども時分の『ドラえもん』や『銀河鉄道999』。
最近だと娘と二人で泣いた
『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』でしょうか。
漫画だと『遥かなる甲子園』や『ONE PIACE』のヒルククの桜やメリー号の最期など……王道ですよね。

でも、知らないうちに泣いていた、という映画が1本あります。
1987年の映画『友よ、風に抱かれて』です。
フランシス・コッポラ監督で、題材はベトナム戦争。
ただし、舞台は戦地ではなく本国アメリカ。
帰還を待っている家族の出来事の話です。
最初に結末が出て、最後にそこへたどり着く流れです。

特に感動的なシーンや奇跡があるわけではなく、
劇的な展開でも、大どんでん返しがあるわけでもない。

それなのに映画館で観ていた最終番、
「頬が部分的に冷たい」という感覚に襲われ、
触れてみたら涙が流れていました。
感情の高ぶりとか、胸を締め付けられるとか、目頭が熱くなるとか
一切なかったのに……。

今でも不思議です。

何らかの物語を見て「泣く」というのは、
感動や悲しさ、切なさだけでなく、
その時の精神状態や年齢、周辺環境などに大きく左右されるもの。
ですから、それまでなんでもなかった場面で泣くこともあります。
傍から見て「こんなところで泣くの?」と思っても、
状況が合致すれば感情を揺さぶられてしまいます。

でも、それを恥ずかしがることはないんですよね。
その感受性は、誰もが持っているはずのもの。
他人から馬鹿にされることも、することもしてはならない部分です。
願わくば、多くの人がその気持ちを忘れず、
いつまでも持ち続けてくれるなら、
きっと今よりも優しい世界になるような気がします。

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・Top画像:PhotoAC KI-TSU様の画像

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