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『時が止まった部屋』小島美羽(原書房)
2019.10.02読了
ドールハウスが好きです。動機としてやや不純でしょうか。この本を手に取るには。
孤独死の現場を再現したミニチュア作品があることを知ったのは確かネット記事。染み出した体液の表現が強く印象に残りました。その後、新聞の書評欄で書籍化されたことを知り、購入。
スケールを変えて、飽くまで似たケースの総体として再現されたものとはいえ、各作品のインパクトは強い。悲惨だとおもう。一方で、不思議と暗さを感じないのだ。静かだとおもった(あ、でも、『残されたペットたち』の頁はまた別だな…)。それは、著者の態度が現れたものかもしれない。孤独死は悪いことではないといい、片付ける意味を考え、真摯に故人を悼みながら仕事をしている著者の態度が。
実際問題、わたしなんて孤独死予備軍の最たるものであって。腐って発見されるのか、何らかの施設で死んで無縁になるのか、はたまた一般的な弔いをしてもらえるのか、それはわからないけど。どんな途がありうるのか想像しておくことは無駄じゃないだろう。上の世代のことは納得できる途を探って大事にしようとおもう。自分が後悔しないように。