年齢を重ねることに積極的だった話

若い頃から、年齢を重ねることにあまり抵抗がありませんでした。

たぶん、高校を卒業してふらふらして、貯金が尽きたので滑り込んだアルバイトで、すごく魅力的な年長の方(新卒でも3歳差、中堅になると10歳差の社員さんや、それこそ親くらいの歳のパートさんも含めて)と働けたから、というのが大きいと思うのですけど、当時未成年だった私が20歳になった冬、「凪野ちゃんをお祝いしようぜ!」って淡路島までふぐを食べに連れて行ってもらったとか、かっこいいなあ、と思える背中がたくさんありました。

で、もうさすがに年齢を重ねるのバンザイ!とまでは思いませんが、年長になったからといって生きづらさを感じたことはないです、今のところ。
加齢によるあちこちの衰えは切実に感じますけども……_(:3」∠)_
私が脳天気なせいもあるし、社会が変わってきたからでもあるでしょう。

十代から二十代になって、子ども扱いされることが減り、
二十代から三十代になって、人の目を気にせず自由になって、
今は、ことさらに「後進を育てる」ポジションにはいませんけども、経済的に多少の余裕ができたので、したいことをしたり、あるいは「したいことがある」方をクラファンなどで支援できるようになりました。


ツイッタランドで妊娠・出産・育児を(そこそこ)オープンにしつつ同人を続けているのは、特に「何にもならなかった」ひとがまあまあふつうに(?)七転八倒しつつもふらふら生きていますよ、というごくささやかなモデルケース(っていうほど大したものではない)の提示だと考えています。
それを「見せびらかし」だと捉えられるとたいへんしんどいし、そう感じるならそっと立ち去っていただくのがお互いにとって良いと思いますが、こうしてオープンにできることはハッピーでラッキーなんでしょう。その自覚はあります。


パートナーさんの考え方もあるだろうけど、結婚したら同人やめなきゃ、とか、出産したら同人やめなきゃ、とかは考えなくてもいいし、家庭を崩壊させない程度に自分の趣味を尊重したっていいじゃない、とは引き続きお伝えしてゆきたい所存です。
望むひとが、望みを実現できればよいですね(ふわふわ~~)。

年齢を重ねて良かったのは、イエスノーセンサーの発達かもしれない。

たとえば「良いよ!」って言われてる本/ドラマ/映画があったとして、どれどれ?って情報を集めたあと、自分に合うか合わないかの判断精度が上がってきた、ということです。楽しそうな企画やイベント、ばずってるなにか。燃え盛ってるなにか。
どれに近づくべきか、距離を置くべきかの嗅覚が発達してきたし、いざそれに首を突っ込んだときの引き際もわかるようになってきた、気がします。

極端な例を出すと、面白そうやと思って読み始めた本があんまり面白くなかったとき、以前は「いつかは面白くなるはず」と無理やり読み進めていたのですけど、今は「ちょっと合わんですわすまぬ……」って気軽に閉じられるようになりました。

いや、いいことなのか悪いことなのかはわからないけど、使える時間は限られてるから、どうせなら楽しいことに使いたいなって。

でもこの歳にはもうとっくに落ち着きを得てると思ってましたけど、グラニフのラムチョップTシャツに物欲が揺さぶられているようではまだまだです……
落ち着きってなんじゃいな……

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