"無敗営業"の極意をまなぶ【書籍解説】

Amazonで本を見ていたら「無敗営業」というタイトルに惹かれ、ポチりました。

この本の著書である高橋さんは、これまで3万人以上の営業パーソンに対して、コンサルティング研修、講演を実施してきました。しかし、高橋さんは、幼稚園の頃から高校生まで、極端な人見知りだったとか。そんな方が「無敗営業」となった秘密を紹介していきます。

①「無敗営業」の本質
②情報のギャップを解消する
③3つの質問について
④まとめ


①無敗営業の本質

高橋さんの営業経験のスタートは「飛び込み営業」のアルバイトでした。
そして、そのアルバイトで得た気づきが下記です。

①営業は自分で気づかないうちに、お客様とズレた行動をしがちである
②成果を上げている営業は、個性の違いはあっても、お客様との間にズレを発生させないというポイントを押さえている
③ズレに気付いて解消し続けていくと、誰でも成果が上がる。

アルバイトの内容は、店舗の許可をとって、英会話学校のポスターを貼らせてもらえたら、報酬が支払われるというものでした。

最初はただ貼ってくださいと言っていただけで全然貼ってくれる人がいませんでした。ところがある日「俺、このポスターのタレントさん好きなんだよね」という店長が現れたので、「これだ!」ということで、タレントを前面に押し出しましたが、「あっ、このタレントさんね。家に貼るからちょうだい」と言われてタレント作戦が見事に撃沈しました。

落胆して、代替案が見つからず、また同じように飛び込みを始めましたが、あるお店の方から「あ〜このポスターね。ちょうど、古くなって汚れていたから、取り替えてよ。」とそこにあったのは、高橋さんがバイトしていた英会話学校ではなく、別の学校のポスターだったのです。

高橋さんは気づきました。それまで、ほかの英会話学校のポスターが貼ってあるお店は、いわば「他社で成約済」だからターゲット外だろうと勝手に思い込んでいたのです。しかし、新しくポスターを貼らせてもらうより、古くなったポスターを取り替えませんかと伝える方が、許可をもらいやすいことに気づきました。

タレントを全面に出して、まだ許可を出したことのないお店を狙い続けることがズレを生じさせていたのです。

②情報のギャップを解消する

こういった情報のギャップを解消するためには、お客様のことを理解するためのコミュニケーションが必要です。実際に、その事例を紹介します。

プライベートで引越しをしたとき、一括見積もりサイトからいくつかの会社を選び、最終的には、3社からそれぞれ見積もりをもらうことにしました。

■1社目
・黒いかばんにびっしりとしたスーツでいかにも営業という感じ
・「荷物の数」「いつ、どこへ引っ越すか」という簡易的な質問あり
・10分で見積もり完了

■2社目
・1社目と同じような質問、10分ほどで見積もり完了
・1社目と比べて「価格が安い」

■3社目
・1、2社目と異なりスーツではなく作業現場の服装
・1、2社目と異なり「今の会社にいつ入社したのか」「最近はこんなタイプの引越しが多い」ちょっとした雑談からスタート
・「ちなみに、当社は何番目ですか?」「見積もりをご覧になっていかがでしたか」という質問
・家の中を見て「この部屋はどういう風に使われていたのか」「どなたがどう生活されていたのか」などの質問、その会話の中から「食器は大事な頂き物なんですね。万が一のことがないよう、専用の段ボールで運びましょう」という提案
・見積もりは1、2社目と比べて高め

この3社の話を聞くと、最初の2社は「安い会社に頼んでしまったがゆえの後悔」を想像しました。一方で3社目は料金は少しかかるが、大切に運んでもらえそう、余計な手間がなさそうという点から3社目に決定しました。

ちなみに、3社目の営業の方の見積もりの勝率は80%です(笑)
平均が分かりませんが、驚異的な数字ですよね。。

このような情報ギャップを解消するような、コミュニケーションを取れるかどうかが成約に大きく繋がることが分かります。

③3つの質問について

では、どのように情報ギャップを解消するのか。
具体的な3つの質問があります。

①接戦状況を問う質問
お客様の不満としてトップにのぼってくる「レスポンス」への課題意識が低いというのは、皮肉なことです。この問題を考えるためには、まずは商談や条件の難易度を「楽勝」「接戦」「惨敗」の3つのグループに分けることからスタートします。「接戦」の場合は、迷っている対象が競合なのか、保留うあるいか内製なのかをつかんだうえで、最後にBANTCHをヒアリングして、自社の提案がリンギに通るための条件を確認しておきます。

Budget(予算)
Authority(決済者)
Needs(ニーズの抜け漏れや優先順位)
Timingu(検討や導入のスケジュール)
Competior(競合)
HumanResources(お客様側の人員体制)

②決定場面を問う質問

これは、。「なぜ、当社を選んんでいただけたのか」あるいは、「なぜ、当社はだめだったのか」という質問です。しかし、理由を尋ねたとしても「提案が良かったから」「当社に対して寄り添っていただいていたので」など当たり障りのない返しがあることです。

そこで、おすすめなのが「弊社に発注することは、どの瞬間に決まりましたか」という事実を聞くことです。プレゼン直後なのか、上司の一声なのか、資料をじっくり見てなのか、それを聞いておくことで、何によって成約が決まるのか、決まらないかの見極めができるようになります。

③裏に背景を問う質問

接戦の状況において、お客様との情報ギャップを解消するため、こちらが知らないお客様の情報や認識、実際に起こっていることなどをどんどん聞いていきたいですが、何でもかんでも質問攻めにすることはできません。そこで、「枕詞」を使う方法があります。

「もし仮に〇〇という点がクリアされたら...」

何かしらの制約条件や前提があることによって、大事なことが聞き出せないという状況があります。「もし仮にご予算の枠というものがなかったら、弊社の提案については、どのような感想をお持ちですか」と聞いてみることで、予算という制約条件を除いたうえでの感想をヒアリングすることができます。


以上、3つの質問により、顧客との情報のギャップを解消に近づけます。


④まとめ

ここまで、「お客様との情報のズレ」という点に着目して、高橋さんの実体験やするべき質問などを書いてきました。

私も営業をしていますが"お客様と会話が噛み合ってないな"という時が過去にありました。その時は、お客様の感情の状態を聞くような質問もせず、機能説明をするなど、よくない営業をしていました。

この本を読んで、すぐに実践できることは「お客様の感情の状態を聞く質問」かなと私は思います。提供しようとしているサービスについて、どう思っているのか、目の前の課題に対してどう思っているのかなど、感情を聞いたうえで、それに合わせた提案をすることで、お客様のストレスなく成約に繋がっていくのかなと思います。


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