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人はもう組織の都合を待たない

 個人としてのスタンス、自分なりの働き方、自由に、豊かに、世のため人のため、自分なりの価値観で・・・、と、個人が思う一方で、人事マンは苦しんできました。

 人事の仕事は「ひと」の「こと」

 「お前らにとって、どーせ、オレらのことなんか『ひとごと』なんやろ!」と言われても、自社の組織力を上げることが仕事です。人を確保し、教育し、配置し、評価を行い、気持ちよく働く環境を整えて、と、日夜、奮闘してきました。

 しかし、やめていく。

 せっかくコストをかけて採用し、教育し、さあ、これからだ、と思った瞬間に、「えっ?何?なんて言ったの?それ、同じ日本語?ワケわかんないんだけど・・・」やめていく!

 「人は石垣」そうです。組織力の源泉は「人」です。

 ムカシは、ムカシは、ね。一度、入った会社には、サイゴまで、サイゴまで、ツトメたの。ねっ、ねっ、ねっ。わ、わかる?

 だ、だからね、人材教育も、組織力の強化も、ね。計画的に、ね。整備できてたの。「〇〇さん、ボチボチ、課長だなあ~」とみんなが思うでしょ。だからカチョーサンの仕事を少しづつやってもらって、ね。それでね、しばらくしてね、その年が来たら、チャーンと人事から推薦依頼が行くでしょ。ショーカク試験?いちオーね。まあ、形?儀式?みたいなもんで。落ちっこないっしょ!落としたら上司の責任っすよ。ね。そうなってんの。わかる?

 で、「〇〇さん、ボチボチ・・・」って、今、言ったとするでしょ。

 「あ~、もう、ほかに決まってて。来週から有給消化で」なんてね。

 どーすんのよ?組織力強化。人って会社にとって一番大事なリソースでしょ。どーすんのよ?ねえ、人事、どーすんのよ?

 書いていてナミダが流れてきます。
 ね、どうすんのよ。
 採用し、教育し、と、順調に進めてきた人による組織力強化がガラガラと音を立てて崩れていく・・・。どーすんのよ。もうっ!

 日本企業は、戦時下の統制経済にルーツを持つ「号俸等級制度」が、モノづくりを中心とした戦後復興にも寄与してきました。横並び、誰もやめないことを前提とした制度です。制度疲労の最たるものです。

 今、難しいことは言いませんが、最盛期の日本のモノづくり企業は「生産のピーク」に合わせて、リソースとしての「人」を用意し、余裕のある平時に教育を行い態勢を整えてきました。つまりは、今、思うとワザと人をダブつかせてた。忙しくない時はなんとか仕事をシェアしてしのいでいた。

 今、制度面からも個人の意識の面からもリソースとしての人を整備する時間がない。

『人はもう組織の都合を待たない』

ならばどうする?
今いる人のイマを評価して、デキルところに配置するしかない!

そんなこんなで「人材アセスメント」が、いつの間にやら会社の中に「ヨッコラショ!」と腰を下ろした。

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