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白トラ参5 廊下でおでこを打つ

 『廊下でおでこを打つ』とは?

 このことを思い出していると香りを思い出して来る。春先頃の懐かしい実家の香りだ。生家は昭和末期に立てられた、やや近代的なデザインにして中身は純木造建築。2階建てで屋根の形は何となくピラミッド風になっている。ピラミッド風の屋根の一番上はすりガラス状のトップライトがある。いや、トップライトなんてハイカラな単語を使わなくても、天窓と表現できる。

 やや小高い所に位置しており、海抜ほぼゼロメートルの県道から見栄えするらしく、未知の業者が『サンルームを設置させてください』としょっちゅう言いに来ていた。宣材にしたかったのだろう。

 『サンルーム』と言わず『太陽の間』と表現したら、まるでオーパーツを売りつける業者みたいでより怪しい。

 余談だが、今思うとこのピラミッド風の屋根の下に暮らしていたからこそ、幼少期から少年・青年に到るまでにフワフワとして色々と不安定だったこの白へびは、何とか生き延びられたのかもしれない
 というのも、最近ようやく知りえた不思議な知識があるのだ。

 今しばらくこの余談にお付き合い願いたい。

 ここでいう不思議な知識の発端は、36歳くらいのころ友達に誘われて矢追純一さんの宇宙塾へ通ったことに起因する。

 東京・代々木駅目の前の貸会議室で宇宙塾は開かれている。そこに、74期生として入塾し平成最後の卒業生となった。卒業後十日ほど経つと、令和元年になった。
 違和感を持たれただろうか?塾にもかかわらず『卒業』という概念があるのだ。こういう普通じゃないところがまたイイ!

 卒業式の時、ピラミッドの絵がかかれた紙を渡される。そして、それはそれはにが~いブラックコーヒーが入った小さな紙コップを渡される。飲み物を販売する露店などが試飲に使っているモノだ。

 まず一口だけ飲む。
「苦い、非常に苦い、何だこのコーヒー」

 矢追さんが言う
「じゃぁ、ピラミッドの絵の上にコップを置いて

 2~3分だろうか‥、少しだけ時を置いて
「そろそろかな‥、じゃぁ残りを飲んでみて?」

 何をやっているのか分からない。指示されるまま残りを飲んだ。すると‥「違う!さっきと違う!

「どう?さっきと味が変わったっていう人?」
その呼びかけにとっさに挙手する。結局ほどんどの人が変わったと反応した。

「さっきと何だか変わったでしょ?ということはこのピラミッドの絵に何かパワーがあるってことなんだね!

 つづく