白トラ弐25 未知との遭遇か?
ここまでは、この白へびが得体のしれない存在を察知する感覚を一応持ち合わせていることをお話した(存在が見えるわけじゃない)。それを踏まえて、ここでようやく宇宙語を聞いたその日の晩のことに触れる。
忘年会に同席するふさふさとボリュームたっぷりの見事な白髪の女性が話した宇宙語は恐らく、数多(あまた)ある言語のうちの一つに違いないだろうけど、デタラメとは思えない。それに関しては前述の通り。
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さて、宇宙語を聞いたその日の晩。京都の自宅に戻りいつも通り就寝する。
ふと目が覚める。
正確には『気が付く』という感じ。目を開いたわけじゃない。『あれ?金縛りか?』何となくそういう感覚がする。が、金縛り現象も何度か経験し、催眠の視点から見た金縛りの仕組みを色々と知った為かすんなり金縛りが始まらない。
それどころか、選択肢があるのを感じた。『このままジッとしてる』か『目くらい開いてみる』か。
『開けるんなら開いてみるか』そんな軽い気持ちで目を開いた。
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『なんだこいつは?』
得体の知れぬ黒い影がただあるだけだった。黒いのかどうかも分からない。一定の形をしているようで、していないようでもある。時計は見ていないが、恐らく日付は変わっている。夜中にして未明で部屋が暗いから黒く見えるのか。とにかくただ、何か影の塊があるようだった。人の形にもはっきりとは見えない。
てっきり落ち武者みたいなのが居るのかと思っていたので拍子抜けした感じまでした。
けど何かしらの人格というか‥、とにかく存在として感じるのだ。しかし、保谷で遭遇した存在とは波動というかエネルギーというか‥何か違う感覚なのだ。『気持ち悪い』とも『怖い』とも思えないのだ。
『じゃぁこいつは何なんだ??』
一昨年(おととし)・去年・今年、と白へびは前厄(まえやく)・本厄(ほんやく)・後厄(あとやく)を過ごしている。令和六年になった今年も後厄・厄払いのご祈祷を最強と噂(うわさ)される奈良吉野の金峯山寺(きんぷせんじ)に受けに行くつもりでいる。
何だかよく分からないけど、保谷時代に現れた腹ペコの霊とは随分違う感じだ。(保谷の時は目を開いてない)
ただ、何だかよく分からないのでとりあえず今ではすっかり読みなれた般若心経(はんにゃしんぎょう)と金峯山寺のご本尊(ごほんぞん)の蔵王権現(ざおうごんげん)真言「おん ばさらくしゃ あらんじゃ うん そわか」、観音菩薩(かんのんぼさつ)真言「おん ばさら だるまきりく そわか」と続けて発音してみた。
同じ訳の分からない状況でただパニくるよりは、とりあえずこの状況を良くしてくれそうな何かをやってみることからかな?という冷静な思考からそんなことをしてみた。
とりあえずビール‥じゃないけど、とりあえず般若心経1回・蔵王権現真言7回・観音菩薩真言7回発音し、仏(ほとけ)さんにお願いする。『この人を上に上げてください』と。
すると、ほどなくしてその現象は終わり、また何事もなかったかのようにぐっすり朝まで眠れた。
しかし次の週、何かまた出た!それに様子が変だ。
つづく
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